「笑点」60年 「座布団運びの山田くん」の“定年”はいつ? 2週連続休演で広がった「卒業」説の真偽
座布団を取って取られて60年――放送60周年を迎えた「笑点」(日本テレビ)のキャッチフレーズだ。5月17日の放送では、同じく1966年にスタートした「ウルトラマン」(TBS)が大喜利に登場。座布団運びを務めたのはカネゴンで、アラシ隊員こと毒蝮三太夫(90)も乱入し、客席はもちろん出演者をも沸かせた。
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中でもカネゴンは芸達者だった。運んできた座布団に自ら座り込むと、噺家のように深々と一礼して会場は大喝采、「1枚取って!」の声に全部持って行こうとしたり、「1枚あげて!」には手ぶらで現れて慌てて引っ込んだり……。林家たい平からは「山田さんよりも面白い」と声がかかり、司会の春風亭昇太からは「いろんな技、持ってんなあ」と感心されていた。

そういえば、現在の座布団運びである山田隆夫(69)は、今でこそ座布団を運ぶだけだが、かつては出演者を突き飛ばすなど笑いを取っていた。民放プロデューサーは言う。
「今年は大喜利のコーナーに入る前に“笑点60周年秘蔵映像”をチョロっと流しているのですが、4月19日の放送では『名物山田くんの突き飛ばし』と題した映像を流していましたね」
まず流れたのは1989年4月放送の映像で、林家こん平の「座布団運びは誰でもできる。そろそろ山田を替えましょう!」との回答に山田が飛んできて突き飛ばすというもの。
続いて2006年5月の放送では、こん平の弟子であるたい平が「『笑点』から無駄をなくすように頑張るぞー! 座布団運びをなくすように頑張るぞー! 山田くん、さようなら!」とやったところで山田に突き飛ばされるというものだった。師弟揃って見事に飛んでいた。
2週休んで降板説
「以前はそういった攻防も見られましたが、最近は手荒いツッコミが受け入れられにくくなったこと、大喜利メンバーが年下だったり高齢だったりすることも影響しているのでしょう。何より山田さん自身が今年で70歳ですからね、派手な動きが難しくなってきました。最近は口数も少なくなり、リアクションにも切れが見られません。そして、この放送日と前週(4月12日)の2週続けて山田さんが休演したことで、本当に“座布団運びの交代”が話題になったんです。いずれも石川県加賀市の収録でした。『笑点』は基本的に2本撮りで、その次の週には何もなかったように出演していますから、たまたま石川での収録に行けなかったのだと思いますが……」
山田が6代目座布団運びに就任したのが1984年というから、すでに42年も務めている。初代司会者・立川談志の盟友で2代目座布団運びの毒蝮三太夫(当時は石井伊吉)だって3年ほどしかやっていない。言うまでもなく、山田が歴代最長だ。
「山田さんの場合、それ以前から『笑点』のレギュラーでしたからね。『笑点』では1970年に『ちびっ子大喜利』というコーナーが始まり、このレギュラーだったのが当時14歳の山田さんでした。座布団10枚を達成した賞品が“レコードデュー”だったため、73年に『ちびっ子大喜利』のメンバー4人で“ずうとるび”が結成されました」
「笑点」からアイドルに
言うまでもないが、グループ名はビートルズのもじりで、活動も洒落だと思われた。ところが、74年にレコードデビューすると「みかん色の恋」や「初恋の絵日記」などがヒット。多くのレギュラー番組も持ち、75年の「NHK紅白歌合戦」ではキャンディーズを対戦相手に出場を果たした。「笑点」からアイドルが生まれたのだ。
「山田さんはずうとるび結成で『笑点』を一時離れますが、84年からは座布団運びとして復帰。第1回から出演していた桂歌丸さんが亡くなり、林家木久扇さんが勇退された今では、出演歴としては他のメンバーの誰よりも長いんです」
その間、山田の休演は他にもあったという。
「98年7月には4週続けて休んだこともありました。本人の都合ではなく番組の雰囲気を変えようとしたためだったそうですが、視聴者からの苦情が殺到して『笑点』メンバーからも彼を戻すよう要望があったために復帰したそうです」
コロナ禍にもあった。
「20年5月から番組がリモート収録になったのですが、座布団運びは不要なので山田さんは休演に。すると彼を心配する声が高まって、挨拶だけするようになりました」
なんだかファンに愛されているようだ。
後任候補は?
「元アイドルから座布団運び42年で培ったキャラは伊達ではないと思います。そもそも山田さんが座布団運びに選ばれたのは、当時のプロデューサーによる『重い座布団を体格が小さい人が運んだら面白いんじゃないか』との狙いからだったそうです。なんでも『笑点』の座布団は、重ねて座っても崩れないよう座布団の中にさらに座布団が仕込まれていて、通常のものよりも大きいし重いんだとか。その思惑が当たって座布団運びを芸に昇華させ、大喜利メンバーと絡むことでバラエティチックな笑いを提供するエンターテイナーとして、長い間、評価されてきたのです」
とはいえ、大喜利メンバーの若返りは進んでいる。
「山田さんの場合、体調面や体力面に支障がない限り、交代はないのではないでしょうか。そのタイミングは、番組側よりも山田さん側が握っていると思います。後任の条件は、高齢者に嫌われない人気と知名度のある方でしょうね」
候補としては誰が良いのだろう。
「5年前に大喜利メンバーを事実上解任された林家三平(55)が復帰したら面白いなんて声もありますけど」
元大喜利メンバーが座布団運びで復帰というのは、さすがにキツい。
「6代目円楽の弟子だった伊集院光(58)とかナイツの塙宣之(48)なんて面白いと思いますが、有名すぎるのがネックかもしれません」
伊集院は「笑点」の若手大喜利にも出演したことがあるようだが、いまさら出る気があるだろうか。また、ナイツ塙は漫才協会会長である。協会の漫才師が演芸コーナーに出演した後の大喜利で、漫才協会会長が落語芸術協会会長の昇太に使われるというのも……。後任候補選びは難しい。
デイリー新潮編集部
