ドミニカ優勝への機運を高める“分岐点” 主砲の魂のヘッスラ、本塁打なしでの7得点は「観客を沸かせた」だけじゃない【WBC】

ゲレーロJr.のヘッドスライディングは、観客を沸かせただけでなく、チームメイトの心も奮い立たせた(C)Getty Images
メジャー屈指のスラッガーが“脚”でも魅せた。
現地時間3月13日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準々決勝ラウンドのドミニカ共和国−韓国の一戦は、7回までにドミニカが10点をあげるワンサイドゲームとなった。韓国は得点を奪えず、7回コールドで決着している。その中で、この日のドミニカ打撃陣の攻撃は、主力選手のアグレッシブな走塁が大きな勢いを生み出していた。
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0-0で迎えた2回裏、先頭のブラディミール・ゲレーロJr.が四球で出塁すると、ジュニオール・カミネロのレフト線への長打で一気にホームを狙った。中継からの返球と同じタイミングで本塁に突っ込んだゲレーロJr.は、捕手のタッチをかわしながら最後はダイブで生還。セーフ判定が告げられると、拳を振り上げ渾身のガッツポーズを見せた。
さらに3回裏では、ヒットで塁に出たフアン・ソトも絶妙なヘッドスライディングで本塁を陥れている。ゲレーロJr.のセンターへの安打で二塁、三塁を回ると、クロスプレーとなったキャッチャーのタッチに対し、左手を引っ込めすぐさま右手を伸ばす形でホームベースに触れた。韓国側のチャレンジの末にセーフが認められチームに4得点目をもたらしており、その後での追加点に繋がるプレーとなった。
米誌『Sports Illustrated』スペイン語版公式サイトでも試合後、両者の走塁をクローズアップ。「ドミニカ共和国はこの試合、最初の3イニングで早くも7-0とリードを奪った。しかも意外なことに、この大差は一本の本塁打もなしに生まれたものだった」とゲーム展開を振り返っており、「ブラディミール・ゲレーロJr.とフアン・ソトという2人のスターが序盤の主役となった。特大の打球を放ったわけではない。2人はホームに生還するプレーで観客の視線を独占したのだ」と綴っている。
その上で、「MLB通算5度のオールスターに選ばれているゲレーロJr.は、捕手がタッチアウトを狙ってくるのを見て空中で身体の向きを変え、見事なスライディングでホームイン。観客を沸かせた」などと回想。
続けて、「さらに1イニング後にはソトの番が回ってきた。ソトはシングルヒットで出塁すると、同じく一塁からゲレーロJr.の二塁打で生還。この『ラ・フィエラ(猛獣)』ことソトのスライディングも圧巻で、タッチアウトを狙って待ち構えていた韓国の捕手の動きをかわしてホームを陥れた」と説明している。
チームの象徴とも言える両主砲は、バットのみならず積極的な走塁でもインパクトを残した。そして、その溌剌としたプレーにより選手たちがさらに活気づいたことは間違いない。最高の形でトーナメント最初の白星を挙げた優勝候補は、また一つ、世界王座に近づいた。
