脳科学者の茂木健一郎氏が、自身のYouTubeチャンネルで「日本映画のベストな成果である『国宝』の向こうにあるものを、アカデミー賞のノミネート結果から考えて、私たちが前に進むために必要なこと。」と題した動画を公開。映画『国宝』がアカデミー賞国際長編映画賞のノミネートを逃したことを受け、日本映画界が抱える構造的な課題と、世界との「手触り」の違いについて論じた。

動画で茂木氏は、『国宝』のノミネート漏れは海外の映画サイトなどを見ればある程度予測できたことであり、国際的な評価軸では脚本に弱い部分があったと指摘する。特に、主人公が長年放置していた娘が記者として現れ、父娘が対面する展開について「そりゃねえだろうっていうのが普通の批評だ」と断言。このような物語の運び方が、国際的な映画祭で評価される他の作品と比較して「弱い」部分があるとの見解を示した。

さらに茂木氏は、この問題の根底には、日本のエンタメ業界が国内市場に閉じた「エコチェンバー」状態にあると分析する。国内では大ヒットし、国内の映画賞を席巻する作品であっても、世界の評価基準とは乖離が生じていると語る。その上で「日本のアカデミー賞とは全然違う」という現実を直視し、海外の作品にもっと関心を持ち、批評的な視点を養う必要性を訴えた。

最後に茂木氏は、日本のエンタメ界には「容赦ない批評」が不足していると提言。「よかったね、すごい映画ですねって囃すだけじゃなくて、ちゃんと批評をするようなフード」が育たない限り、世界で通用する作品は生まれにくいと述べた。エコチェンバーから脱却し、多様な視点を受け入れることで、日本映画はさらなる高みを目指せると締めくくった。

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