脳科学者の茂木健一郎氏が、自身のYouTubeチャンネル「茂木健一郎の脳の教養チャンネル」で「自分の行きたいクラスターはどこか、解像度の高い地図を持って歩こう。」と題した動画を公開。「小説家」や「AI専門家」といった職業を一括りにしてしまう風潮に警鐘を鳴らし、同じ分野内でも価値観や目的が異なる「クラスター」が存在すると指摘。自分が本当に目指すべき場所を「解像度の高い地図」で見極める重要性を説いた。

動画で茂木氏は、人々が「小説家になりたい」「科学者になりたい」といった漠然とした夢を抱きがちだが、その内実は無数に細分化されているという現実を語る。例えば「小説家」という職業一つをとっても、芥川賞や直木賞の違い、本屋大賞に代表されるエンターテイメント性の高い作品など、目指す方向性や価値観は全く異なると説明。その違いは「小説を書いてる人と書いてない人の違いぐらい大きい」とまで述べ、単に「文字を書く」という行為だけでは括れないほどの隔たりがあると強調した。

この構造はAIや脳科学の分野でも同様だという。茂木氏は、AIの基盤モデルを開発する研究者と、それを社会実装するコンサルタント的な専門家では、同じ「AI関係」でも仕事の内容や求められるスキルは全く異なると指摘。自身の専門である脳科学においても、神経細胞レベルの研究から、意識という大きなテーマを扱う研究まで多様なクラスターが存在し、それぞれが全く違う世界だと解説する。茂木氏の主張の核心は、単に「マーケットが違うというだけでなく、目指しているものが全然違う」という点にある。重要なのは「態度(アティチュード)」であり、何を価値あるものとし、何をリスペクトするかがクラスターごとに根本的に異なると断じた。

最後に茂木氏は、キャリアを歩み始める際は誰しも「解像度の粗い地図」しか持っていないと前置きした上で、「徐々に解像度を上げて、自分が本当に行きたいクラスターを見極めることが重要だ」と結論づけた。漠然としたジャンル名に惑わされず、自分がどのような価値観や態度で物事に取り組みたいのかを深く見つめ直す必要性を訴え、動画を締めくくった。

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