「好き勝手にさせてたまるか…この行為をする税務調査官は違法なのでスグに追い払ってください!」と題した動画で、脱・税理士の菅原氏が、グループ会社間の人材派遣料をめぐる税務調査トラブルを解説した。テーマは、初回調査で相場乖離を指摘され単価を引き上げたにもかかわらず、次の調査で今度は「利益操作」とみなされるという矛盾だ。

質問者は、各営業所に地元の税務調査官が長時間とどまり業務が妨げられたため、やむなく修正申告に応じた経緯を説明した。3年前の指摘に沿って派遣料を上げた点を伝えても納得が得られず、現場は板挟みになったという。

菅原氏はまず、任意調査の原則を確認する。通常の税務調査は業務妨害をしてはならない。過度な居座りは受け入れられず、必要に応じて退去や方法の見直しを求めるのが筋である。前回調査の記録は残っているはずで、合意に基づく修正申告を後になって「利益操作」と断じるのは整合性を欠く。記録確認を要求し、改善がない場合は税務署長に連絡して是正を求めるべきだとしている。

次に、A社(本業)とB社(派遣子会社)の数値モデルで構図を示す。派遣単価を動かすと一方の利益が増え、もう一方が減るため、グループ合算では同じでも会社別の課税所得は変わる。管轄する税務署によって利害が分かれ、主張が真逆になる現実がある。運用面では、一方に本調査、もう一方は反面調査という進め方が一般的であり、同時に本調査を行うのは通常は想定されない点も押さえておくべきである。

消費税の論点も重要だ。免税判定の基準である1,000万円は本件水準と無関係だが、簡易課税の選択可否を分ける5,000万円をまたぐ修正は、本則課税に移行しやすく負担が増える可能性が高い。どのパターンで税収が増えるかという観点が調査側の姿勢に影響し得るため、単価設定は「同業相場」を基準に据える必要がある。

防御の軸は明確だ。相場整合性と前回調査記録の2本柱で主張を組み立てる。両社の決算月が同じであれば期ズレによる利益移転の疑念は低い。相場データや契約条件の根拠を備え、矛盾する再指摘には理由を求めた上で安易に応じない姿勢を保つべきだ。動画内では、4,000万円→6,000万円→5,000万円といった単価変更のパターンが損益・税目に与える影響や、記録照会・窓口一本化といった実務対応の組み立ても整理されている。

今回の動画は、グループ会社間取引の価格設定や税務調査対応に課題を抱える経営者・管理部門などにとって、相場基準と過去記録を軸に実務の線引きと交渉を設計する上で非常に参考になる内容である。

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