中小企業の固定費を500万円以上も下げる方法5選

『中小企業の固定費を500万円以上も下げる方法5選』と題された動画で、黒字社長として知られる市ノ澤翔氏が、自身の実践と経験から、固定費の大幅削減について具体的かつ戦略的なノウハウを語った。動画冒頭で市ノ澤氏は「労働者側が会社や仕事を選べる状況になっている。採用コストこそ真剣に考えないと、家賃など他のコストを下げても最終的な意味がない」と警鐘を鳴らす。

市ノ澤氏はまず「経費は金額や売上比率だけでなく、必ず費用対効果で見るべきだ」と強調。たとえばオフィスの立地は家賃の安さを優先するのではなく、「渋谷スクランブルスクエアにオフィスがあると若手も集まりやすく、同じ給料でも採用力が上がる。だから金額だけ見て『良い選択だ』と判断するのは危険」と述べる。反対に、商品の単価が安く薄利多売型のビジネスなら、「田舎やロードサイドの安い土地で十分。ブランド戦略や立地戦略は業種によって大きく異なる」と、市場ポジショニングの重要性も説いた。

今回の動画では、「固定費削減のポイント」を5つに整理。第一に「固定費は日々見直しを徹底しろ」とし、月次の会計チェックで無駄に気づきやすくなると語った。「一度増えた固定費は削るのが本当に大変。そもそも増やさないことで事業や資金繰りに余裕が生まれる」と断言する。

第二に「フルリモート化」を推奨。市ノ澤氏は「都心に巨大なオフィスを維持する意味が薄れた。リモートでも業務が回るのであれば、家賃も水道光熱費も劇的にカットできる」と、コロナ禍以降の企業環境の変化を指摘した。

第三には意外と知られていない「家賃交渉」を挙げ、「プロに頼めば揉め事もないし、年間300～500万円削減できるケースもある。放置してきた長期入居企業ほど効果大」と、実践的な方法を解説。

さらに「空調費用の見直し」も大きな盲点だとし、「電気代の約半分は空調が占める。専門業者の節電提案を活用すれば、何もしなくても年間600万円以上も下がる例がある」と、即効性と持続性をアピール。

最後に「人件費の変動費化＝業務委託化」を提唱。「日本で人員削減や賃下げは難しい。でも業務委託なら、仕事がなければ人件費自体を発生させずに済む。働きたい人に仕事も与えられる」とウィンウィンの現代型雇用を推進した。

締めくくりでは、「必要な投資まで削減しては本末転倒。将来投資と維持費削減を切り分けて、無駄なコストは徹底的に排除していってほしい」と呼びかけ、「一度増やした固定費を減らすのは困難。だから最初から増やさない工夫が会社の未来を救う」とメッセージを発信。動画の最後には「本質的な利益体質を作りたい中小企業経営者は、ぜひ今日から実践と見直しを始めてほしい」と視聴者にエールを贈った。