SNSで発信する日常が話題の33歳差カップル、ななこさん(58)と歩夢さん(25)。2024年夏から同棲を始めましたが、なかにはやはり批判的な声もあって。(全2回中の2回)

【写真】「周囲も驚いた」33歳差カップル 出会いから同棲をスタートした近影まで(全12枚)

相手の親はどう思ってると思いますか?

2人で旅行に出かけたとき

── InstagramやYouTubeなどSNSでふたりの交際を世間に公表・発信しようと思った経緯について教えてください。

ななこさん:自分の周りで似たような境遇の人がいなかったので、彼とつき合うにあたって、年齢差についてはかなり悩みました。でも、Instagramを見たら歳の差がある人たちが思いのほかたくさんいることを知って。なかには同棲、結婚と進む方たちもいたので、とても勇気をもらいました。私も彼とおつき合いするなら堂々としたい。暗い表情をした私と一緒にいても楽しくないでしょうし、SNSで発信することによって、私たちと同じような悩みを抱えている人たちに対して、もしくは歳の差カップルに偏見がある人たちに対しても理解に繋がっていけばいいなと思ったんです。

恋愛って、精神年齢が近いとか趣味が合うとか、気持ちと気持ちで繋がっていくものです。歳の差があっても萎縮せずに外に出たらいいなと思いました。あと、私たちがこれだけ年齢差があるので、なんらかの形で思い出に残しておきたいという気持ちもありました。

── SNSでは徐々に顔出しをされていったそうですが、周りの反応はいかがでしたか?

ななこさん:応援する声とともに批判的な声も来ますね。「こういう形があってもいい」「いつも仲良くて羨ましいです」といった声や、「自分達も歳の差があるけど前向きになれた」といった言葉をもらったときはうれしかったです。いっぽうで「若者の未来を潰すな」「相手の親はどう思ってるかわかりますか?」など、批判的な声も届きます。ネガティブな反応のほとんどは、年上である私に対して集中しますよ。そうした声も届くだろうとある程度は覚悟を持って始めましたが、それでもやっぱり刺さることはあって。トータルでは優しい言葉をかけてくれる方が多いですが、ネガティブなものは数が少なくても攻撃力が強いんです。

── 歩夢さんは、SNSを発信してしばらくはご両親に交際についてお話しされていなかったそうですが、現状はいかがですか?

歩夢さん:これだけたくさんの方々に見られていますし、去年の11月頃から少しずつ家族に話をしているところです。交際段階のタイミングでは、自分から積極的に親に告げなくてもいいかなという思いがありましたし、基本的にすべて事後報告するタイプなのですが、今は少しずつ話をしています。

職場の人からは「そんなに年齢差があって大丈夫なの?」という反応をもらったり、友達には驚かれましたが、サプライズみたいに人を驚かすおもしろさもあるというか(笑)。人は人だし、うまくやっていく自信があるので、後ろめたさとかはまったくありません。

──「今はいいけど、歩夢さんが40代、50代になったときにふたりの関係をどう思いますか?」と聞かれることはあるそうですね。

歩夢さん:僕たちは年齢が33歳離れているので、僕が40、50代になれば彼女は70、80代。介護などが心配になりますが、そこは頑張るつもりです。

それに、僕は今ですら「隠居したい」なんて思っているのですが、中年になれば今よりさらに落ち着いてくると思います。周囲から年齢差も意識されづらくなるでしょうから、光輝く未来というか、将来にはむしろ希望を持って生きています。

── 2024年9月から同棲をスタートされたそうですね。歩夢さんの転職がきっかけだったとか。

ななこ:もともと私が神戸で彼が徳島に住んでいて遠距離だったので、漠然と「いつか一緒に暮らそう」とは話していたんです。彼が去年の夏に転職したタイミングで関東に引っ越すことが決まって。「一緒にいればもっといろいろな時間も体験もが共有できるね」と私が言ったら、彼も「じゃあ一緒にいる?」と、それほど抵抗なく受け入れてくれて。そこから1か月後くらいには一緒に住む家が決まっていました。

同棲、そして結婚について思うこと

一緒に暮らしはじめて

── いざ、同棲を始めていかがですか?

ななこ:楽しいですね!毎朝「行ってらっしゃい」からはじまり、夜は「お帰りなさい」と迎えられて。遠距離のころは月に1、2回会う程度だったので、一緒に暮らして彼の鼻歌を聞くようになったり、疲れて帰ってきたと思ったらその辺で寝ちゃう姿を見たり。今はとても幸せです。自分だけの時間は彼がひとりで出かけたときだけですが、それでも寂しいくらい(笑)。あと、遠距離だと何かトラブルが起きてもよくない方向にどんどんいきがちですが、今はけんかをしても相手の表情がわかりますし、仲直りするのも早いです。やっぱり一緒にいてくれる安心感が大きいですね。

── ちなみにどんなことでけんかされますか?

ななこさん:些細なことですよ。たとえば引っ越しをして家具をどこに置くとか、どんな部屋にするとか。

── 家賃など、家計に必要なお金や家事の分担はどうされていますか?

歩夢さん:お金は折半ですね。家事は、僕が仕事にまだ慣れていないので任せていることが多いです。でも、家事は女性に全部任せると言うわけでもありません。

ななこさん: 今は彼が新しい勤務先に慣れていく途中なので、家事は私がやればいいかと思っています。でも同棲するなかで、彼自身の家事に対する考え方が変わり、以前よりも積極的になっている気がします。私たちは布団で寝ていますが、彼が毎朝、上げてくれますし。料理が得意ではないのですが、ゆくゆくは何か作ってくれるのではと思っています。

── この先、結婚は考えていますか?

ななこさん:この先どうなっていくかは未知です。ただ、私たちが決めているのは、将来もっと自然豊かなところに拠点を移して、自分たちがやりたいことをやって、2人で生活することです。結婚するのか、このままのスタイルを続けるのかわからないけれど、ずっと一緒にいることだけは決まっているので、今は将来を見据えながら充実した日々を過ごしているところです。

歩夢さん:山の中で暮らす目標があって、それ以外のことは流れに乗ってなんとかなるんじゃないかと思います。

ななこさん:やっぱりタイミングもあると思うので、自分たちの気持ちもしっかり持ちながら目標だけは持って進みたいと思います。

取材・文/松永怜 写真提供/ななこ