「iPhone X」で空気が変わった化学大手のディスプレー戦略
同社情電・ディスプレイ部門長の滝本丈平常務執行役員は「液晶の強さは有機ELに対しても明確にある。ブラウン管から液晶のように、ある日いきなり有機ELに切り替わるわけではない」と読む。有機ELは韓国のサムスン電子とLGディスプレーが気を吐き、量子ドットはサムスンが開発に力を入れている。
現在の市場におけるディスプレー技術の争いは「色」を軸に繰り広げられている。「どういう風に良い色を出せるかの争いだが、あまり決定的ではない。それより消費者にどうやってアピールするかが勝負で、決定的な要素は形だ」(滝本常務執行役員)と予想する。アップルの最上級スマホは12万円以上という値段に見合ったアピール力が不足していたと言える。
「結局は(端末の)形が変わらないとダメなのかもしれない。それがうまくいったディスプレーメーカーの採用した技術が普及するだけだ」(同)とし、現段階で各技術の雌雄を決することに意味を見いださない。
「どれかの技術に賭けて全てのリソースを張り込んではいけない。競合他社より得意な材料分野がいくつかあって、その分野ならどの方式になっても仕事を受けられるように備える思想でやっていく」(同)と言い切る。ただ、形の変化となれば、自社のプラスチック技術にとって活躍の場が拡大するとのそろばんは当然はじいている。
