広末涼子の大胆な告白に衝撃が走った。雑誌『FRaU』(講談社)のインタビューで23歳での最初の結婚について語った言葉だ。

《正直、確信犯ですよね。出来ちゃった結婚だと言われたけれど、そうじゃないと結婚出来ない状況だった》

当時の彼女は、仕事を辞めたくて仕方がなかったが、結婚が許される環境ではなかったという。

「トップアイドルとして絶大な人気を誇っていた時期で、突然の結婚には驚きました。14歳のデビュー時からずっと清純派、優等生というイメージでしたが、本人は窮屈だった。状況を変えるには強行突破しかないと考えたのでしょう」(芸能プロ関係者)

《私は一度、あの時点でフェードアウトしないと壊れていたと思うし、女優業は続けていられなかったと思う》

広末はそう振り返る。この正直な発言に、ネット上では賛否の声があがった。そこで本誌が街頭インタビューに繰り出すと、彼女に同情する女性が多かった。

「芸能界の恋愛は大変だから仕方がないのかも」(50代)

「世間が作った清楚なイメージと本当の自分の間で葛藤していたのでは。普通に生きたかったんだろうなあ」(20代)

「周囲の雑音は放っておけばいい。身体や心を壊してまで仕事する必要はない」(40代)

やはり、芸能人が結婚するには高いハードルがあるのだろうか。芸能レポーターの川内天子さんに解説してもらった。

「一般の家庭では、本人同士とご両親のOKがあれば結婚できます。しかし、芸能界では本人を取りまく関係者がすごく多いため、芸能人は交際が始まった時点で事務所に伝えなくてはなりません。ふたりが会うときの送迎や店の予約などをマネージャーが行い、マスコミ対策も考えます」

芸能人にとっては、恋愛はプライベートなことではないという。長期契約のCMがあったりするともっと大変だ。

「CMクライアントにお伺いを立てなければなりません。例えば清涼飲料水は清純な女の子のイメージが売り。契約書の中で“結婚しない”“家庭を想像させない”という取り決めがなされることも。お酒のCMは妊娠NGですね」(川内さん)

結婚や出産は、おめでたいこと。しかし芸能人は契約に縛られている。最悪の場合、違約金を払うこともあるのだ。

「過去には堕胎に追い込まれた芸能人も。ただ、女優として誇りを持っているのなら、自己管理が必要です。意図せず妊娠するとプロ意識が欠けていると言われても仕方ありません。

特に20代前半は売れ始める時期。事務所が恋愛禁止にするケースは多い。赤西仁クンと黒木メイサさんの結婚は掟を破ったようなもので、その後、赤西クンはジャニーズを退社しています」(川内さん)

30代になればいくらか制限が緩くなるが、芸能人が20代で結婚するには既成事実がない限りなかなか難しい。

「子どもが欲しいなら早く産んだほうがいい。たとえ後で離婚するとしても」(50代)

「最近は4割近くができちゃった婚だと大学の授業で聞きました。これだけ多いのだから、いいと思う」(20代)

少子化問題もあり、出産には好意的なのだ。ただ、先行きを心配する声もある。

「無責任だ。認知されなかったら、父親がいなくなって周囲に迷惑がかかることになります」(20代)

できちゃった婚が増えている背景について、女性のライフスタイルに詳しい作家の亀山早苗さんはこう語る。

「20代であれば、ちゃんと順序を踏みなさいという風潮もいまだにありますが、30代なら、先に子どもができてからの結婚でも、容認されやすい世論になりました。お腹が大きいときに式を挙げるのはみっともないと言われていましたが、今はそういう方用のドレスもありますから」

芸能界でも工藤静香や安室奈美恵など、多くの芸能人ができちゃった婚をしているが人気に陰りはない。

ただ、広末が今になって事情を明かしたことには、街頭でも疑問の声が上がった。

「どうして今明かしたの? 話す必要ないと思う」(30代)

「結婚するためにつくられたと知ったら、子どもがかわいそう」(10代)

「周りが何と言おうと結婚したいと思っていたなら、わざと子どもをつくる必要はなかったのでは」(10代)

しかし亀山さんは、子どもを結婚の手段にすることはよくあることだと話す。

「50代の私たち世代では意外とある話でした。避妊具に穴をあけた人もいますし(笑)。彼氏が煮え切らない場合、作戦としてできちゃった婚に持ち込む人は多かった。広末さんも、事務所を説得するのに一番いい方法を取ったのでしょう」

子どもの気持ちについてはどう考えればいいのだろう。

「子どもが小さいときは、“そうまでしてお父さんとお母さんは結婚したかったんだよ”って言えばいいんです。広末さんは芸能人なのでイメージもあるでしょうけど」(亀山さん)

街頭でも、彼女の決断にエールを送る声があった。

「子どもを産むのは大変だけど素敵なこと。1人でも多くの人に祝福してほしかったのでは。子どもに愛情を注いであげてほしいですね」(20代)

親が言ってはいけない言葉はひとつだと亀山さん。

「“あなたを産むんじゃなかった”だけはダメ。あなたを産んでよかったと伝えてさえいれば、あとはどうってことないと思う。親子の信頼関係ができていれば、他人が口を出すことではありません」