話を伺ったのは、茨城県つくば市・牛久沼のすぐ近くにある千勝神社の禰宜・千勝満彦さん

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みなさん、神社は好きですか? ふだんそれほど足を運ぶ機会がなくても、神社の雰囲気は好きという方も多いですよね。日本人にとって身近な神社ではあるのですが、意外に知らないことが多いのも事実です。

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今回は、茨城県つくば市・牛久沼のすぐ近くにある千勝神社の禰宜・千勝満彦さんに、神社の仕事について聞いてきました。宗教法人というと金満なイメージを持つ方もいるかもしれませんが、どうも神社はそうではないようです。

仕事量は多くプライベートは曖昧、給料は少なめ。それでも熱心に励むことができるのはなぜなのでしょうか?

■20時間働くケースも!?

――一日の労働時間はどれくらいでしょうか?

「神社や、神職の立場によってまちまちですが、私の場合は平均すると12時間くらいですね。朝8時くらいに出てきて、早ければ18時には帰りますが、ちょっと長引くと21時や22時まで仕事をすることも多いので」

――けっこうガッツリ働くんですね。

「お正月が近づいてくると、20時間くらい働いているかもしれませんね」

――20時間ですか!?

「ええ。神社に泊まり込みになるので、そうすると仮眠の時間が1日4時間程度とか」

――ちなみに、神社には労働基準法は適用されますか?

「私の場合は、実家の自営業の役員という扱いになるので。もちろん、雇っている形になる通常の職員には適用されますよ。

ただ、例えば重要なお祭りは夜中にやったりするんですよ。そういうときは、定時の労働時間の概念は意味がなくなります。もちろんケースによって時間外手当が出たりはするんですが」

■時給換算は「あまり考えたくないですね(笑)」

――そうすると、給料は時給換算するとどれくらいになりますか?

「あまり考えたくないですね。(笑) もしかしたら最低賃金並かもしれません」

――けっこう厳しいんですね。なぜ、そんなに低くなってしまうんですか?

「神職は、日常と仕事の境界が曖昧なんですよ。同業者はみな言いますが、プライベートであってプライベートじゃない、と。

例えば、大きなお祭りの前には必ず、神社に一晩泊まって清らかな場所に身を置きます。肉を食べず精進料理のような穢れのないものを食べて、朝起きて水を被って身を清めて、大きな祭礼に臨むんですね。これも考え方によっては仕事の一部だと思うんです」

――そうですよね、それをやらなければ仕事(祭祀)ができないわけですから。

「でも私からすると、仕事が終わって、外出しないでお籠もりして、食べ物に気をつけて、水を被るなんて、神職として当然であって、仕事じゃないんですね。これらを仕事と言うか、言わないかによって、ずいぶん変わってきます。

あとは、自宅と神社の電話番号が同じだと、夜中に氏子さんから電話がかかってきて、「お袋が亡くなったので葬式をやりたいのですが」という相談なんかもあるわけです。

神社や神職によって様々で、いろいろな相談を受けるケースもあります。日常と仕事の境界は本当に曖昧です。こういうものまで含めて仕事とみなすと、時給換算ではかなり低くなってしまいます」

■収入が多かったとしても給料には反映されない理由

――給料はどうやって決まるのですか?

「神職の給料は、神社本庁の規定で決められているんですよ。役職と級号によって変わります。長く勤めていたり、役職があがったりすれば昇給するのは、一般企業と同じです。一番もらえる人で、月給60万円。大きい神社の宮司だからと言って、好き勝手に収入を増やせるわけではありません。

――なるほど、厳格なんですね。抜け道はないんでしょうか? たとえば基本給以外に、特別手当をもらったりとか。

「神社によってはそういうところもあると聞いたことはあります。ただ、ごく一部だと思います。上限の60万円をもらっている宮司も、全国的に見ても本当に少ないです。

私たちのような規模の神社の大半は、多くて月給30万円から40万円程度ではないでしょうか。30代半ばで年収300万円に届かない神主も珍しくないと思いますよ。それどころか、神社によっては専業が成り立たず、兼業せざるを得ないケースも少なくありません」

――給料は高いとは言えないようですし、仕事内容もけっして楽ではありませんよね。それでも熱心に仕事に励むことができるのは、なぜですか? たとえば、改めて見て驚いたのですが、広い境内なのにゴミがまったく落ちていません。

「神職は“なかとりもち”だとよく言うんですね。神さまに仕える身であり、神さまのご意志だとか、思いだとか、徳を、人間へ伝える。逆に、人間の願いだとか、「神さまに助けてほしい」という思いを神さまへ伝える。神さまと人間のあいだを執り持つ、“なかとりもち”です。

なんでこういう仕事をしてるんですか? 誰も見ていなのにお金と労力を費やすんですか? と聞かれることもあるんです。確かに、サボろうと思えばサボれる部分もあります。手を抜かずにやったからと言って、収入が増えるわけでもありませんし。

それでも一所懸命やるのは、神さまの力が、みなさんにより一層伝わりやすい状態をつくって、お参りに来た人が神さまとのご縁をもらって、幸せな生活をしたり、神さまへの気持ちを高めたりする結果になってほしいな、という思いがあるからなんです。

朝の掃除をすることも、ご祈祷することも、いろいろなことが、神さまと人間の縁をつけたい、という思いに繋がっています」

■神主は“神事”のプロフェッショナル

――私がよく思うのは、仏教で言えばお坊さんがいないと、葬式のやり方、故人の供養の仕方がわからない。神主さんも同じで、神主さんがいなかったら、日本の神さまとどう接していいかわからないですよね。

「極端なことを言ってしまえば、神さまと人間の関係なので、神社がなくても神道は成立すると思っています。でも、神さまは目に見えませんし、どういうものか分からないわけです。神さまとどう付き合ったり向き合ったりすればいいのか分からない人と神さまを繋げるのが、神主であり、神社という場所なんだと思います。

神さまを信じていない人や、神社に特別な思いがない方でも、こどものお宮参りや七五三のとき、安産祈願、車を買ったときの安全祈願のときには、電話を掛けてきたり、メールで尋ねてきたりしますよ。神社は、日本人の、宗教的な意識がないような身近な部分に結びついていますね」

インタビューは以上です。千勝神社の千勝満彦さん、どうもありがとうございました!

■たまには神社で神主さんと話してみては?

私自身、子供が生まれたときに、お宮参りはいつ行ったらいいのかとか、祈祷料はどれくらい払ったらいいのかとか、ずいぶん調べました。近所に神社がなかったので、主にネットで検索しましたが、もし日常的に仲良くしている神主さんが地域にいたら相談していたと思います。

お話を伺うまでは意識していませんでしたが、神さまを信じる信じないとは別に、私たちは神主さんを必要としているんですね。私たちが意識しているときも、していないときも、神主さんは準備を万端に整えて待ってくださっています。今度、神社へ行く機会があったら、神主さんに話しかけてみてはいかがでしょうか!

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