“松井秀喜監督案”を退け「井口資仁氏」侍ジャパン監督就任 決め手は佐々木朗希との“ストーリー”
侍ジャパン新監督に元ロッテ監督の井口資仁(ただひと)氏(51)が就任した。当初は“ダークホース”と見られていたにもかかわらず、並み居る候補を抑えて急浮上した背景に何があったのか。
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松井監督案もあったが……
今回の就任に至るまでの舞台裏を、スポーツ紙記者がこう明かす。
「人選を進める侍ジャパン強化委員会の中で、もともと井口さんは有力候補と見られていませんでした。他に元巨人監督の高橋由伸氏(51)や元ソフトバンク監督の工藤公康氏(63)などそうそうたる名前の挙がる中、本命視されていたのが元ヤンキースの松井秀喜氏(52)でした」

松井といえば、今年2月に宮崎で行われた侍ジャパンの春季キャンプを突如視察して話題となったが、井端弘和前監督の後を継ぐ布石だとささやかれたという。
「しかし現役時代に侍メンバー入りを断り続けた松井監督案に難色を示す関係者は少なくありませんでした。他の候補も、結果が伴わなければ批判の集中砲火を浴びる侍指揮官には及び腰だったといいます。そんな中、井口さんの存在がにわかにクローズアップされるようになったのです」(同)
そして「初のメジャー経験アリの侍監督」誕生へ
井口氏は1996年、青学大からダイエー(現ソフトバンク)へドラフト1位で入団。2005年にWソックスへ移籍すると、1年目にワールドシリーズ制覇に貢献した。メジャーで4年過ごし、09年にロッテ入り。引退翌年の18年から5年間、監督を務めた。
「史上初のメジャー経験者による侍監督が誕生することになりました。これまでベストナインとゴールデン・グラブ賞を3度ずつ受賞するなど、選手としての実績も申し分ない。ただし、就任の決め手となった理由は他にもあるといわれています」(前出の記者)
新たな「師弟物語」
NPB関係者が言う。
「強化委員会が注目したのは、19年にロッテへ入団した現ドジャースの佐々木朗希投手(24)と井口さんの関係です。23年のWBCで侍ジャパンが優勝した際は、栗山英樹元監督と大谷翔平選手(32)の“師弟物語”が脚光を浴びました。28年のロサンゼルス五輪で金メダル獲得を目指す侍ジャパンにも新たな“ストーリー”が必要だと考えられたのです」
ロッテの元投手コーチによれば、
「入団1年目は実戦登板がなかったものの、井口監督は佐々木を1軍に帯同させて肉体強化に専念させました。2年目以降も登板間隔を調整するなどして、コンディションづくりやケガには細心の注意を払っていた。将来のメジャー挑戦を見据え、手塩にかけて育てたのが佐々木でした。その井口監督の下で再びプレーするとなれば、佐々木だって奮起するでしょう」
意外にも上昇志向?
一方で、こんな見方もあるという。
「ロッテ選手時代、井口さんはチームメイトに日差し対策のサングラスをプレゼントしたことがありました。そういった心配りのできる、兄貴分的な存在として皆から慕われていました。佐々木以外のメジャー組も、先達である井口さんにはリスペクトを抱いており、求心力や信頼獲得の面で不安はありません」(ロッテOB)
気になるのは、「火中の栗を拾う行為」とも指摘される就任打診に応じた理由だが、
「自宅のワインセラーに500本近くのコレクションを所有するなど、スマートな一面を持つ井口さんですが、実は上昇志向が強い。メジャーから帰って来る時、巨人からも誘われたが、キャリアの観点から引退後の監督職を約束したロッテを選んだとうわさされました。今回もステップアップになると踏んで、覚悟を決めたのではないでしょうか」(同)
新監督が迎える最初の正念場は、五輪予選を兼ねた来年11月開幕のプレミア12を勝ち抜くことだが、果たして……。
「週刊新潮」2026年7月30日・8月6日号 掲載
