【ボクシング】尚弥 バムとやるかやらないか 2月に実現せずなら5階級制覇へ「自分の道を進みます」
プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(33)が27日、地元の神奈川・座間市で弟のWBC世界バンタム級王者・井上拓真(30)=ともに大橋=と「ざま井上兄弟キッズチャレンジフェスタ」に参加した。イベント後の取材で、来年2月にも計画されるWBA世界バンタム級スーパー王者ジェシー“バム”ロドリゲス(26)=米国、帝拳=との対戦について「2月あたりにできるのであればやります」と初めて明言。世界5階級制覇を懸けたフェザー級挑戦の選択肢にも言及した。
尚弥が“バム”ロドリゲスとの頂上決戦について、初めて具体的な青写真を示した。「2月あたりにできるのであればやります」。対戦実現を念頭に置きながらも、時期を逃せば迷わず次の章へと進む覚悟も隠さなかった。「そこ(2月)を越えて延び延びになるのであれば、自分の道を進みます」。実現しなければ、日本男子初の世界5階級制覇を目指しフェザー級に進出する考えを示した。
スーパーバンタム級では、4団体統一王座を歴代最多となる7度防衛する偉業を成し遂げた。「もうバムとやるかやらないかですよ。それで(同級に)残るか階級を上げるか、どうするかですね」。同級の舞台での戦いは、バム戦が最後となることを明言した。
米専門誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じての最強ランキング)で、1位に4階級制覇王者・尚弥と4位に3階級制覇王者・バムがランクされた。「現代ボクシング最高峰のカード」とも称される両雄の対決は、尚弥を支援するサウジアラビア総合娯楽庁トゥルキ・アラルシク長官が手がけるプロジェクト「リヤド・シーズン」の日本大会として来年2月頃の開催計画が浮上している。動画配信大手「Netflix」が中継に興味を示しているとも伝えられている。
熱を帯びる周囲の期待とは対照的に、尚弥本人は「僕はバムにこだわってるわけじゃない」と淡々と話す。バム陣営は10月にもバンタム級で統一戦を行う意向で、WBO同級王者クリスチャン・メディナ(26)=メキシコ=との対戦が有力視される。「バムがバンタム級でもう少しやりたいのなら、自分はもうフェザー挑戦を考える。すれ違っちゃいますよね」。一方で「バムとの対戦に燃えるものがある?」との問いには「全然ありますよ」と首を縦に振った。「最強」の称号を懸けた一戦か、それとも5階級制覇への新たな船出か。モンスターの「針路」が、まもなく定まる。(勝田 成紀)
◆尚弥に聞く
―バムのバンタム級転向初戦(6月13日のバルガス戦=6回KO勝ち)後、各方面から「尚弥にはかなわない」との声が出ている。
「自分がやるとなれば慎重に過大評価(して準備を)するだけ。周りが言っているような評価にはならない。自分もスーパーバンタム級が目いっぱいの選手ではない。体のフレームもバムと変わらない。そこがどう結果に出るかは、やってみないと分からない」
―現在の練習は。
「ジムへ行ったり行かなかったり、軽く続けている。週4、5日は走っている」
―5月2日の中谷潤人戦で燃え尽きたような感覚は?
「燃え尽き症候群にはなっていないが、いったんここは体を休める時期なのかな。次の試合のメドが立っていないから、どうしていいか分からなくて」
―小学生からの「目標は?」の質問に「いま33歳で、プロボクサーという職業ができるのもあと数年になっている」と自身の引退に言及した。
「ちょっと前からちょこちょこ言っていること。ボクシングをやってきて良かったなと思える引退の時を迎えたい」

