イタリア代表監督就任が濃厚視されていたピルロ。(C)Getty Images

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 元イタリア代表の“英雄”アンドレア・ピルロがSNSで自身の見解を主張した。だが、イタリア代表監督の座をめぐる騒動は複雑になっている。技術部門の責任者となったパオロ・マルディーニの今後も不透明なようだ。

 3大会連続でワールドカップに出場できなかったイタリアは、この夏の選挙で連盟会長に選ばれたジョバンニ・マラゴー会長が、改革を見据えてマルディーニを招へい。両者は8〜10年の長期的な視点でイタリアサッカーの復興を目指すと話した。

 その第一歩となるのが、新たな代表監督の人選だ。カルロ・アンチェロッティやジョゼップ・グアルディオラといった超トップクラスに打診をしたうえで、マルディーニは次にミラン時代のチームメートであり、現在UAEのユナイテッドFCを率いるピルロに白羽の矢を立てた。

 だが、地元メディアがピルロ就任で濃厚と報じていた矢先の7月25日に問題が発生する。ピルロがロシアのベッティング会社「Fonbet」とグローバルアンバサダー契約を結んでおり、イベントなどにも出席していたことが分かったのだ。

 2022年のウクライナ侵攻以降、イタリア政府はロシアの侵略を一貫して非難してきた。そのロシアのベッティング会社の世界的な広告塔となっていた人物が、イタリアを「代表」することについて、政界から異論が噴出。政治的・倫理的な問題に発展したのである。
 
 騒動を受け、ピルロは26日、自身のSNSで「遺憾」を表明。「Fonbet」との関係はUAEでの仕事の経験を通じて生まれた「商業的・スポーツ的」なものでしかないと主張した。

「スポーツ的な性質のものが、急速に公の議論となり、自分という人間に属さない意味や意図と結びつけられたのは残念に思う。イタリアに対する愛情は職務によるものではなく、自分の歴史とアイデンティティの一部であり、ずっとそうあり続ける」

『Gazzetta dello Sport』紙によると、マラゴー会長は「Fonbet」との関係がピルロ個人によるものか、ユナイテッドFCとの契約に関連するものかを調査しているとのこと。だが、同紙によれば、ユナイテッドFCのオーナーは、自身やクラブと「Fonbet」の関係を否定している。

 いずれにしても、イタリア・メディアは、ピルロの代表監督就任は難しくなったという見方だ。ただその場合、マルディーニの動向も注目される。自身の意向で物事を進めるのが、マラゴー会長のオファーを受ける条件だったとされるからだ。つまり、代表監督の人選を含め、自身の技術的な権限が揺らぐのであれば、マルディーニが職務を続けずに退任する恐れもあるという。

 マルディーニ退陣となれば、再建計画が見直しを迫られることは不可避だろう。9月にネーションズリーグを控えるなかで、イタリア代表は道筋をたてるところからやり直さなければならない。

 混迷する“カルチョの国”は、復活できるのか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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