“色恋禁止”でホストクラブに変化 姿消す“ランキング広告” 「これダメですね、これも使えない…」 客は「疑似恋愛なければ金払う価値ない」【ガチの門】
2025年の風営法改正で“好き”や“惚れた”を利用した「色恋営業」が禁止となるなど、ルールが大きく変わりました。その背景には、路上売春や性風俗店での勤務などを客に要求する「悪質ホスト」の存在がありました。
【画像を見る】「ホストの知識がない」女性がターゲット 悪質ホストらの“一撃講習”マニュアル
法改正によって、ホストクラブの営業にどのような変化がもたらされたのでしょうか?働くホスト自身、そしてやってくる客の心理に変化はあったのか。法改正前後のホストクラブを取材しました。
(MBSテレビ「ガチの門」2025年8月24日の放送内容を記事化しています)
ホストクラブで「色恋営業」が禁止に
大阪・ミナミのホストクラブ。
(店長)「色恋(営業)はダメなので、気をつけてね」
(客)「今まで『好き』とか言っていたのに、急に言わんくなったのはそういうこと?」
(店長)「そうそう」
(客)「ひどい!」
ホストからの「甘い言葉」を期待してやってくる女性たち。
しかし、好きや惚れたを利用した「色恋営業」が禁止だというのです。
いま、ホストクラブで何が起きているのでしょうか。
法改正の裏に「悪質ホスト」めぐる問題
「風営法の改正」。風営法とは、ホストクラブやキャバクラなどの営業を規制する法律のこと。2025年6月に改正法が施行され、ルールが大きく変わったのです。
まず、色恋を利用した営業の禁止です。
「シャンパンを注文してくれないと関係は終わり」などと、客の恋愛感情を利用して飲食を強要させることが禁止となりました。
また、路上売春や性風俗店での勤務などを客に要求することの禁止も明記。背景にあったのは「悪質ホスト」をめぐる問題です。
ターゲットは「ホストの知識がない女性…」
一昨年11月には大阪・ミナミでホストクラブを運営していた社長らが、女性客3人から約350万円を脅し取るなどした疑いで逮捕される事件も。
警察によると、この店では、「一撃講習」と呼ばれるマニュアルを作成。
女性に「一撃」で…つまり、初回の来店で、高額な飲食代を支払わせるためのノウハウを共有していたというのです。
ターゲットは、「ホストの知識がない」女性。
まず、ホストがSNSで知り合った女性と交際関係になり、さまざまな口実を使って自身が働くホストクラブに誘い出します。
そして、浴びるほど酒を飲ませ泥酔させると、近くのホテルに連れて行き…。「金払うまで帰られへん」「消費者金融で上限マックスまで借りろ」などと迫るのです。
こうした事件などを受けて去年6月、悪質なホストクラブなどへの規制を強化した改正風営法が施行されたのです。
ホストクラブの店長が警察に直接質問「ランキング絶対ダメ?」
改正法施行の5日前…
―――勉強してきた?
(櫻井海晴さん)「してきました、ChatGPT使いました。色恋がダメとか、広告の文言とか、最終的な話は今日聞こうと思っている」
大阪ミナミのホストクラブ「Addiction」の店長・櫻井海晴さんです。
この日は、大阪府警による説明会が開かれるということで櫻井さんも会場に向かいます。
説明会にはホストクラブの関係者、約200人が参加。
(大阪府警 担当者)「年間売上〇億円突破、〇億円プレイヤーとか、指名数ナンバーワン、規制の対象になる」
広告表現にも新たな規制が加わりました。
「過度な競争意識を煽り、高額な支払いを助長する」として、営業成績を直接的に示す広告が禁止となったのです。
ただ、その基準は、警察側も曖昧なようで。
(櫻井海晴さん)「ランキング制度は絶対にだめなのかを聞きたい」
(大阪府警 担当者)「個々具体的にどれがダメ、どれがいいということは、都道府県の対応に斉一性を確保する必要が出てきますので、これは本庁との協議が入ってきます」
「ぶっちゃけ、濁された感はあったかな」
2時間に及んだ説明会。
(櫻井海晴さん)「お疲れ様でした」
―――どうでした?
(櫻井海晴さん)「ぶっちゃけ、濁された感はあったかなって。ランキング制はダメって説明していて、広告はダメって言っていたけど、じゃあ制度自体はいいの?とか、聞いたけど答えてくれなかった気がした」
すぐに自身のホストクラブに戻ります。
(櫻井海晴さん)「これダメですね、これとかも使えない。これを消していかないとダメですね」
店内のポスターも…
(櫻井海晴さん)「バイバイ…外していくって話ですよ」
風営法改正当日の営業に密着
そして、5日後…
(櫻井海晴さん)「6月28日、風営法改正一発目の営業です」
ホストたちに改正内容を周知します。
(櫻井海晴さん)「別れたくないならシャンパン入れてくれとか、付き合ってるんだったらお店に来てくれとか。そういうことがダメということです。みんなで元気よく営業していきましょう」
午後8時、営業開始。ホストたちは探り探り接客しています。
(ホスト)「これ、どこからがセーフでどこからがアウトなのか」
(ホスト)「警察側も、決め切っていないから」
「色恋、疑似恋愛なかったらお金払う価値ない」
客は今回の改正をどう受け止めているのでしょうか。
(客)「『ナンバー取りたいからお金使って』みたいに(ホストに)言われること多いから、それがなくなるからお金使う子も減るんじゃないかなって思います」
―――今までで彼にどれくらい使った?
(ホスト)「そんな、小遣いくらいですよ」
(客)「4000万円くらい」
―――4000万円!?
(客)「多少無理もあったけど、仕方がなかった。それがホスト」
(客)「(改正には)反対です。そもそも色恋、疑似恋愛を楽しみに来ているのに、それがなかったらお金払う価値がないというか」
「しんどくなるかもしれないけど…」ホストの受け止めは?
一方、ホストは。
(ホスト)「悪い人がいなくなるのはいいことじゃないですか。ホスト側はちょっとしんどくなるかもしれないけど」
―――ランキング制もなくなるけど?
(ホスト)「僕入ってないので、助かりますね。圏外なので助かります」
午前0時、ラストオーダー。改正前はその日もっとも売上のよかったホストが、高額な支払いをした客の隣に座り、カラオケで歌う時間でしたが。
(櫻井海晴さん)「ラストオーダー、これにて終了!」
風営法改正、初日の営業が終了しました。
―――改正初日はどうでした?
(櫻井海晴さん)「シャンパンが少なかったです」
(従業員)「従業員(ホスト)が顔色伺いながら接客しているのが目についた」
(櫻井海晴さん)「あー、確かに確かに。それ思った」
(従業員)「店の活気ってすごく大事なので。そういう部分を殺されているっていう現状だと思うので」
(櫻井海晴さん)「なったものはしょうがない、風営法な。ちゃんと受け入れて、ダメなところは改善して、絶対トラブルが起きないようなお店作り、組織作りに舵を取るしかない。受け入れて気をつけますって感じ…お疲れ様でした。キャバクラいこっ」

