スポニチ

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 ◇第108回全国高校野球選手権 神奈川大会2回戦 保土ケ谷(2026年7月9日 横浜緑ケ丘5―4城郷)

 創立103年の伝統校、県下有数の進学校としても名高い横浜緑ケ丘が劇的な逆転サヨナラで初戦を飾った。3―4で迎えた9回2死二、三塁から投手で4番・DHの平川隼人(3年)が中越え二塁打。「シーソーゲームで感情がグラグラ揺れる試合だったけど、最後は全員野球で勝ってホロッときちゃいました」。劇的な幕切れにナインとともに嬉し涙を流した。

 前の2打席は連続の見逃し三振。8回に味方打線が追いついてくれたのに、9回に勝ち越しを許していた。大谷ルールで投げて打つ背番号1の4番は、土壇場の打席で「野球の神様が見てるなら、ここで一本出させてくれるのかなって。根拠のない自信を持っていった」という。高く上がった打球は、追いつくかと思われた中堅手の頭上でもう一伸びして芝生に落ちた。「最後に(野球の神様が)振り向いてくれたのかなと思います」。文武両道を貫いてきたから言える言葉だった。

 普段は午後7時に練習を終えた選手たちは塾に向い、午後10時まで勉強に励む。国公立大への進学を希望する平川は「勉強も野球も同じベクトルでやってる」と言った。勉学の一方、一昨年冬から毎日一人1合分のおにぎりを食べる食トレで体作りを徹底。文武とも力をつけてきた。平川は投げても133球の熱投で9安打4失点完投。これが公式戦初先発初完投だった。

 最後の夏。平川は言った。「目標はベスト16。あと2つ、しっかり勝ちたい」。横浜緑ケ丘の文武両道の夏はまだ続いていく。