共演女優は「涙が止まらない状態」に…ドラマ撮影中止も「選択肢として用意」 フジテレビがハラスメント騒動で声明&経緯説明
フジテレビは7日、俳優の佐藤二朗が4月期の同局系ドラマ「夫婦別姓刑事」で共演した女優にハラスメント行為をしたとする「文春オンライン」の報道を受け、「当社ドラマ制作に関するご説明」と題した声明を発表した。その中で同局は女優が俳優の訪問を受けて「涙が止まらない状態」になったと認め、ドラマの撮影中止も検討していたことを明らかにした。
声明によると、2026年3月22日に行われた車内での撮影で、「台本上明示されていなかった形で男性俳優が女性俳優の顔に触れる場面」があった。女優サイドは、この接触をセクシャルハラスメントと受け止めていなかったが、「それまでの撮影を通じて、男性俳優には、アドリブでの身体接触がある演技や他者との距離感が近いと感じた場面もあった」ため、女優の所属事務所社長が同局プロデューサーに演技上の配慮事項を男性俳優側に伝えているか確認。男性俳優のマネジャーと相談し、翌23日の朝、プロデューサーから俳優本人に女優サイドからの申し入れを伝えた。
その後、男性俳優から「どの範囲の身体的接触であれば問題がないのかについて女性俳優本人に直接確認したい」との申し出があった。プロデューサーは女優の所属事務所社長も交えた形で協議することを提案したが、協議の場が整う前に、男性俳優が女優と「二人きりで話したい」と女優の楽屋を訪問。楽屋には、2人のほかに女優の現場マネージャーも同席していたが、その場で男性俳優から女優に対し「演技に制限があるのであれば事前に言うべきである」という旨の発言があったという。
そして男性俳優、女優、女優の所属事務所社長、現場マネージャー、プロデューサーを交えた形で改めて話し合いの場を設け、事前の承諾が必要な身体的接触の範囲について確認し、合意に至った。同局コンプライアンス部門にも経緯が報告されていた。
しかしルール確認がなされてから約2週間後の4月8日、男性俳優が再度、女優の楽屋を1人で訪れ、「俳優活動に関する自身の考えを伝える場面」があったという。男性俳優としては「完成したドラマ映像の出来の良さに感動し、女性俳優とのわだかまりを解消したいと考え、女性俳優の楽屋を訪問した」との考えだった。
同局では当時の状況について「男性俳優は女性俳優に対して、あなたの過去の被害は不幸なことだけれども、と前置きした上で、女性俳優が身体接触に制約があることは実前に言うべきであったこと、男性俳優の友人にも相談したところ友人も女性俳優の方がおかしいという意見であったこと、また、演技の相手役に対し身体的接触に関する一定の制約を設けるのであれば俳優の仕事を続けるべきではなく、夫婦役の出演の依頼があってもこれを受けるべきではないと考えていることなどを伝えました」と説明。
その場には、女優と男性俳優のほか、番組スタッフ1人が居合わせていたが、「女優は、男性俳優の訪問が突然であったことと、その発言の内容や口調の強さに激しく動揺し、しばらくの間、女性俳優は涙が止まらない状態になりました」と明かされた。
同局では「上記楽屋でのやり取りを受けて、当社コンプライアンス部門は、速やかに外部の弁護士に対し、事実関係の確認及び環境調整を依頼いたしました」とし、弁護士が当事者及び関係者へのヒアリング等を実施した結果、発言内容や口調の強さなどを総合的に考慮し「女性俳優は男性俳優の発言を受けて涙が止まらずに撮影に支障をきたす状況に陥るほど強いショックを受けたことを重く見て、男性俳優の一連の言動は女性俳優に受忍限度を超える精神的負荷を与えるものであり、女性俳優側に非はなく、ハラスメントと評価されるとの見解を示しました」とした。
さらに「当社としては、撮影の中止についても選択肢として具体的に用意していました」としたが、「女性俳優からは作品及び制作関係者のためにも強い責任感から撮影を継続しようとする意思が示されていたこと、また、男性俳優が当社側に対して、制約下での演技を続けることは承服できないといった意向が示されることは何度かあり、男性俳優の所属事務所とも話をしていましたが、その都度、男性俳優も思い直すなどしていたことから、撮影を中止するまでの判断には至らなかったものです」と撮影を継続したと記した。

