【W杯】ブラジル戦、9割染まったカナリア・イエロー サッカー文化の差とこれからの日本に期待すること..記者コラム
日本代表が敗れたブラジル戦の会場は、9割ほどがカナリア・イエローに染まった。試合前から、ブラジルサポーターの地鳴りのような歓声が響く。一言で言えば、圧巻。1次リーグ(L)3試合は日本の青色優勢だったスタンドが、ブラジリアンに“占拠”された。
MF鎌田は「ウォーミングアップでブラジル代表が入ってきただけで、スタジアムが本当に沸いた。根本的に、歴史の部分が全然違う」と振り返った。
22年カタール大会のクロアチア戦でも感じたが、日本サポーターは決勝T1回戦に入るとガクンと人数が減ってしまう。決勝T1回戦に5度挑み、全て敗れていることと強引に結びつけるつもりはないが、全て1点差以内の敗北となっていることを踏まえると「もう一押しがあれば」と思わないでもない。特に今大会は、1次L3試合において、日本を後押しする応援の熱がすごいものがあっただけに。
事情は明白だ。限られる滞在期間をどこに充てるかと考えた時に、日程と会場が確定している1次Lになるのは当然と言えば、当然だ。「滞在延長」あるいは「決勝Tから現地へ」と考えても、1次Lを何位通過するかによって日程も会場も変動するため、航空機や休暇が取りづらいだろう。
それは、ブラジルも同じ。4年に1度仕事を辞めろ、家や車を売って資金を捻出しろ、などはあまりに暴論だが、それ相応の覚悟を胸に、彼らはスタンドにいる。言い換えれば、それだけサッカーが文化として根付いている証しだ。
プロリーグ発足からまだ30年ちょっとの日本は、世界的に見ればまだまだ新興国。それでも、サッカー文化の定着は、右肩上がりに進んでいると感じる。
サッカーに関心がない人に、興味を持ってもらえるキッカケを。4年に1度、W杯だけは応援しますという人を、日本代表サポーターと名乗れる立場に。テレビの前で熱烈な応援をする人に、現地観戦という勇気ある一歩を。そしてW杯を現地で応援する猛者には、決勝Tの試合もぜひ。文化の醸成は日進月歩だ。コツコツと、前へ。ブラジルと肩を並べる、その日まで。(岡島 智哉)

