ポイ捨てへの過料徴収を始めた渋谷区。その効果は…?(Ryuji / PIXTA)

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6月1日から、ごみのポイ捨てをした人に対し巡回員が2000円の過料をその場で徴収する新たな取り組みが渋谷区で始まっている。

また、コンビニやテイクアウトできる飲食店がごみ箱を設置しない場合や、自動販売機にペットボトルや缶などの回収容器を設置しない場合には5万円の過料も科せられるようになった。

取り組みが始まってから早一か月が過ぎようとしているが、実際に過料が徴収されたケースはどれだけあるのだろうか。また、そもそもポイ捨てやごみ箱に関するルールを厳格にした理由は何だろうか。渋谷区に聞いた。

公共のごみ箱設置は年度内を目指す

ポイ捨てをした人やごみ箱を設置しない飲食店に対する過料は、昨年12月に改正条例が成立し、今年6月1日から施行された「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」に基づくものだ。

渋谷区の広報担当者によると、条例の施行後は1日当たり最大60名の巡回員が、24時間365日、区内全域を巡回して過料徴収を実施している。

そして実際に巡回員がポイ捨てを確認して過料を徴収した事例は、6月17日時点で218件あったという。

なお、単に罰則を強化するだけでなく、渋谷区はボランティアによる清掃活動への支援の拡充などもあわせて行っている。

また、渋谷区は新たなルールを来街者や区民などに広く知らせるため、商店街の街路灯フラッグや駅構内のポスターやサイネージ、区の広報紙・公式SNSなどで周知活動を行っている。その際には日本語に加えて、英語や中国語、韓国語などでも周知しているという。

一方で、ポイ捨ての一因として、公共のごみ箱の少なさを指摘する声もある。ごみを捨てる場所が不足していることが、路上への投棄につながっているとの見方だ。この点について区に問い合わせたところ、「公共的なごみ箱の設置については、年度内での設置を目指し、検討を進めております」(広報担当者)とのことだった。

ポイ捨てごみ急増の一因は来街者の増加

ポイ捨てを禁止する条例自体は全国に数多くあるとはいえ、過料まで徴収する厳格なルールは例が少ない。

そもそも、なぜ、渋谷区は「条例を改正して過料を徴収する」という判断に至ったのか。背景にはどのような問題があったのか。区に聞いたところ、以下の回答があった。

「これまで渋谷区では、『自分のごみは、自分で持ち帰る』ことを基本として、ポイ捨て禁止の啓発活動を行ってきました。また、『きれいなまち渋谷をみんなでつくる』という理念の下、各地区の美化推進委員会及び多くのボランティアのご協力により、区内の環境美化を保ってきました。

しかしながら、コロナ禍以降、インバウンドも含めた来街者の増加とともにポイ捨てごみも急増しており、これまでの美化・啓発活動だけでは、美しく健全な環境を維持できなくなってきたのが現状です。

このため、条例を改正しポイ捨て行為に対する過料の規定を設けるとともに、『販売した商品から生じるごみは、販売した店舗が責任をもって処理することが望ましい』との考え方に基づき、一定の条件を満たす店舗に対してごみ箱設置を義務付けることといたしました。

あわせて、購入者の皆様には『自分のごみは自分で持ち帰る』という原則に加え、『購入した店舗のごみ箱を利用する』ことについて、引き続き周知・啓発を行ってまいります」(広報担当者)