懲役27年の判決を言い渡された内田梨瑚被告(左・SNSより)

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 6月22日、旭川地裁は殺人罪などの罪に問われる内田梨瑚被告(23)に懲役27年の実刑判決を言い渡した。裁判では弁護側が「殺人の実行行為はなかった」と一貫して述べたのに対し、検察は「被告人らの言動や犯行の経緯が、被害者のAさんを心身ともに追い込んだ。実質的に殺人行為といえる」と主張。最終的に殺人の実行行為は認められ、判決は求刑どおりだった。

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 内田被告はどんな人物だったのか。判決直前の現地取材を踏まえて、事件を振り返る。【前後編の後編。前編から読む】

 内田被告は旭川市出身。建設関係会社を営む父と、契約社員などで働きに出ている母親のもとで育った。被告の同級生の親が話す。

「小学校の頃から勝ち気な性格で、女の子たちのお姉ちゃん的な存在でした。よく男子との喧嘩の仲裁をしたり、掃除当番のトラブルを収めたりしていた」

 中学校時代はバスケ部に入り、クラスでは"陽キャ"で通っていた被告。この頃から徐々に不良少女の片鱗を垣間見せるようになる。

「ガキ大将ですよね。馬が合わない人にはすごく攻撃的でした。本人が中学生のとき、いじめられていた女子の着替えをスマホで撮影して、その画像を拡散する騒動がありました。本人の気分でたびたび標的が変わるので、みんな怖がっていた」

 市外の高校を卒業後、被告は就職。自衛隊や、母の働く化粧品販売店、スナックやキャバクラなどの職場を転々としたが、いずれも長くは続かなかった。他方、20歳ごろの当時は、それほど"凶悪"でもなかったようだ。内田被告が一時期、通っていたバーの店長が明かす。

「4年ほど前によく飲みにきていました。自分のことは『ハタチで、サンロクで夜の仕事してる』と言っていましたね。仕事おわりの1時くらいに"寝酒"といって1人でお店にきて、カウンターの角で緑茶ハイを飲んでいた。『ギャルー!』と言って、ダブルピースをしながら挨拶してくるのが印象的でした。

 当時は暴力的なイメージはなくて、みんなと仲良くできる奴でした。隣から『飲もう』と言われたら『いいよいいよ』って感じで。飲みゲームやカードが弱くて、よく負けて飲まされたりしていた。あと、倖田來未の『愛の歌』が好きでよく歌っていた。個人的には『女らしくはないけど、友だちとしては仲良くできる』と思っていました。ガツガツ系ですね」

 店主が続ける。

「それも4年前の9月ごろ、ぱったり顔を見せなくなった。事件の半年後に一度だけ警察が来ましたが、『最近のことは知らない』としか言いようがありませんでした。僕の中の内田梨瑚はただただ"いい奴"です。だから事件や裁判を受けて、人間不信になりましたよ。いい奴と思っていた人が、裏では人の命を軽く扱えるような女性だったと知って、『人はわからないな』としみじみ思った。僕にとっても、とても大きな事件でした」

 当時、被告は旭川の繁華街「サンロク街」で夜な夜な、飲み歩くようになっていた。その中で被告が得たものは"反社との繋がり"と未成年の"舎弟"たちだった。

「20歳を過ぎた頃、彼女は精神的に不安定な状態だったそうです。家にも帰らず、毎晩のように未成年の子やヤクザの舎弟みたいな人と遊んでいた。当然、同年代の子たちからは避けられるようになりました。同時にカツアゲや薬物など、本当のヤクザみたいなお金の稼ぎ方を覚えてしまった」(内田被告を知る女性)

 警察や検察の捜査でも、内田被告と反社会的勢力の関係は明かされている。地元メディアの事件担当記者の解説。

「被告は犯行前、被害者のAさんを軽自動車で連れ回している最中、山口組系暴力団の構成員を呼び出している。証拠として挙げられた供述調書において、内田被告はこの男性の"舎弟"だったとされています。つまり、捜査側は被告を単なる"女ヤンキー"とはみていなかったということです」

 一方で、未成年との繋がりについてはどうか。内田被告はすでに一審判決を受けた小西優花被告をはじめ、歳下の知人に自らを「舎弟」と名乗らせては、ともに悪事をはたらいていた。被告が通っていたバーの常連客が言う。

「今でも『内田梨瑚のことパシってたから、お前も調子乗ってるとやっちまうぞ』とか、『梨瑚さん知り合いだよ』とかでかい声で話している若い子がちらほらいます。事件があってから、"悪ガキの代名詞"みたいになってしまった節があります。彼女の名前を出してしかいきがれないのは、哀れだなあと思いますよ」

 この店では、NEWSポストセブンが過去に報じた、内田被告の「舎弟Y」がトラブルを起こしていたという。Yは被告のSNSに"舎弟"としてたびたび登場し、事件後に〈りこちの事聞かれても一切返さなーい!! そもそもお前らに関係ないし 目に見えるものだけ信じてゴタゴタ文句言って叩いてるお前らも同じ加害者と変わらんべって話だからね〉などと擁護していた未成年の女性である。

「Yは去年、他の客のカラオケの曲を勝手に消してトラブルになったんです。店員が仲裁に入ると激昂して、首元を掴んで詰め寄り『警察呼べば? うち未成年だからよ』と逆に脅していた。現在は大麻所持で警察に捕まっていると聞きますが、Y以外にもまだリコの"残党"はちらほらいる」(同前)

 公判で「Aさんの人生を奪ってしまい本当に申し訳ございません」と謝罪した内田被告。涙ながらに語ったこの言葉に、反省の思いは込められていたのだろうか。

 旭川に残った爪痕と遺族の悲しみが癒えるには、まだ時間がかかりそうだ──。

(了。前編から読む)