W杯壮行試合後のセレモニーで口にした「優勝」という言葉には、日本サッカーの未来を願った深い意味が込められていた。

 日本代表MF久保建英(ソシエダ)は5月31日のアイスランド戦(◯1-0)での快勝後、62,212人が詰めかけた国立競技場での場内インタビューでW杯への決意を問われ、明るく言い切った。

「チームとしても個人としても前回大会以上の出来でしっかり戦って、優勝して、皆さんの前にトロフィーを持っていきたいと思います!」

 第2次森保ジャパンが「世界一」という目標を掲げている中、久保自身があえて明言してこなかった「優勝」という言葉--。どんな試合も負けず嫌いで知られる久保が頂点を目指さないはずがないわけだが、この誓いには日本サッカーの未来を願った決意が込められていたようだ。

 久保はW杯オランダ戦を3日後に控えた練習後、「一回くらい言っといたほうがいいかなと(思った)」と報道陣を笑わせつつ、その真意を明かした。

「常日頃から(優勝したいと)思ってはいるけど、あまり僕は言うの好きじゃないんで。でもあのタイミングでいろんな人が期待してくれて、満員で、『頑張れよ』ってセレモニーにも残ってくれているわけで、そういった人たちに見返りじゃないけど、より盛り上がってもらって、またW杯だけじゃなくて、もうチケットを売るのが発表されていますけど、W杯後のキリンチャレンジとかにも来てもらう。そういった日本人のファンを取り込みたいなと思った部分もあります」

 久保の言葉どおり、今年9〜10月に行われるキリンチャレンジカップ、キリンカップのチケット販売が今月12日から段階的にスタート。W杯の結果次第で大きく注目度が変わるのが親善試合の現実だが、久保は日本サッカー界の未来も背負ってこのW杯を戦おうとしている。

(取材・文 竹内達也)