11日、日本代表のキャプテンMF遠藤航が怪我のため離脱した。3月のイギリス遠征でA代表デビューを飾ったFW塩貝健人(ボルフスブルク)にとって、遠藤と関わった時間は5月末の北中米ワールドカップ直前の国内合宿からの短期間。それでも、21歳の若武者は「遠藤さんの分まで頑張るところは大会で見せていければ」と思いを述べた。

 遠藤は今年2月に左足首の手術を受け、その後は長いリハビリ期間を過ごした。遠藤が不在だった3月のイギリス遠征で初招集となっていた塩貝は、5月31日のアイスランド戦に向けた国内活動で初めて共にした。

 短い時間でも、キャプテンは塩貝に目を掛けていた。アイスランド戦後、自身の出来に納得できなかった塩貝は、試合後のセレモニー中でも頭を振って悔しさを露わ。すると、セレモニー終了後のピッチ周遊時には遠藤が塩貝の肩に腕を回し、優しく言葉をかける様子もあった。

 強烈に鋭い個性で他を圧倒し、一気にW杯行きを成し遂げた塩貝だが、その個性は諸刃の剣にもなりかねない。そんな中、遠藤から2日前に言われた言葉は、特に塩貝の耳に強く残ったという。

「僕のキャラ的に色々ぶつかるというわけではないけど、チーム競技なので、僕の個性を全部が全部出すわけにはいかない。でも、僕の良さというところは消さないようにとはずっと言われていて。そこのバランスは大事だよ、と。僕のこういう性格的なところも、プレーも、出していけるところは、チームのためになるんだったらそれは出していったほうがいいと言われた。それは本当にその通りだと思って。そこは意識していきたい」

 今回の離脱を受け、塩貝は「キャプテンとして3年半、いろいろ背負うものもあったと思うけど、このタイミングで怪我で離脱というのは本当に悔しいと思う」と慮る。

「僕がいま特別なにか言うことはないけど、遠藤さんだけじゃなくて、怪我でメンバー入りできなかった人も、怪我じゃなくてもメンバー入りできなかった人もたくさんいる。そういう人たちの分もしっかり背負って戦わないといけない」。自分に出来ることは明確だ。「しっかり結果を出すことがその人たちにとっても嬉しいことだと思う」と力を込めた。

(取材・文 石川祐介)