だから28歳女性は死亡した⋯【自宅から見つかったDVD】からわかった16歳年の差夫婦の『あまりに過激な趣味』(平成27年の事件)
〈「臓器が破裂していた」ゴミ屋敷から見つかったのは【28歳・裸の女性遺体】⋯“16歳年上の夫”を逮捕してわかった『衝撃の死亡理由』(平成27年の事件)〉から続く
夫婦の自宅から見つかったのは「いかがわしい内容のDVD」⋯⋯。なぜ28歳女性は死亡したのか? 平成27年、山梨県で起きた「驚きの事件」の結末をお届け。なおプライバシー保護のため、登場人物はすべて仮名である。(全2回の2回目/最初から読む)
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写真はイメージ ©getty
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夫婦がやっていたのは⋯
ロープ、首輪、拘束ベルト、鉄製チェーン、ローソク、アイマスク、ポンプ、クリップ、スパンキングラケット……。性玩具は20種類以上あり、「彼女が好きだった」というプラスチック製の塩化ビニール管は何本もあった。
「彼女はこれで叩くと、いつも『気持ちイイ〜』と言っていた。もともと彼女に頼まれて使用するようになったグッズで、SMプレイをするときは毎回それを使っていた」
それだけでなく、2人のSMプレイを写したDVDも見つかった。
藤井が塩化ビニール管やスパンキングラケットなどで尻を叩く様子や、美奈さんがローソクまみれにされ、鼻フックをされたり、四つん這いにされて性交している様子が6時間あまり収録されていた。
さらに家の庭で糞尿がたまった池のようなものが発見された。
藤井は「トイレが壊れたから」と言い訳したが、それはあたかも排泄プレイ専用のステージのようだった。藤井の自宅は鬱蒼とした森の中にあり、2人は人目につかない一軒家で夜な夜なSMプレイに熱狂していたのだ。
「そもそも彼女とはどうやって知り合ったんだ?」
「10年ほど前にセリクラで知り合った。彼女はもともと家出少女だったんです」
夫婦の出会い
当時、藤井は34歳、美奈さんは17歳だった。セリクラとは、モニターを見て気に入った女の子にデート代を提示し、最も高い金額を提示した男性客がデートする権利を得るというものである。
藤井は株のトレーダーをしているほかは、親から小遣いをもらっているニートのような男だったが、「行くところがない」という美奈さんを自宅に連れて行き、そのまま同棲生活に入った。
その後、事件現場となる一軒家を両親に買ってもらい、6年後のクリスマスに入籍。食事は一日1食だけで、あとは酒ばかり飲んでいた。
美奈さんは両乳首と性器とヘソにピアスを取り付け、藤井の名前のタトゥーを入れていた。2人で一つの携帯電話を使い、外部との交流は一切断っていたが、SMサイトには自分たちのプレイを投稿していた。
事件前日も2人はSMプレイにふけっていて、藤井は美奈さんにまたがり、塩化ビニール管でお尻や太腿、腕やふくらはぎ、お腹や乳房などを殴打していた。それから36時間後、美奈さんは心肺停止状態で発見されたのだ。
「それはどれぐらいの時間やってたんだ?」
「1時間くらいかな」
「被害者はどんな様子だった?」
「お尻に真っ赤なアザができていたが、すごく気持ちよがっていて、『もっと強くー』と叫んでいた。その後は普通にセックスして寝ました」
「被害者はSMプレイが原因で死んだのではないか?」
「私は殺していません」
なぜ傷口に食品用ラップ?
「腰の傷はどうやってできたんだ?」
「2階から飛び降りたときにトタンかガラスに引っかかったのではないかと思います」
「そのときにすぐに病院へ連れて行かなかったのはなぜだ?」
「彼女は病院へ行きたがらなかったし、『とりあえず消毒だけして欲しい』と言っていたので……」
「傷口に食品用ラップを巻いていたのはなぜだ?」
「猫を9匹飼っているので、猫の毛が傷口に入らないようにしていた」
「そんな処置で被害者は何も言わなかったのか?」
「彼女は『大丈夫だから』と言っていた。結局、彼女とも話し合い、傷口は瞬間接着剤でくっつけることにした」
「被害者には皮下出血、筋肉出血が大量にあった。日頃から彼女に暴力を振るっていたのではないか?」
「体は多少叩いたかもしれないが、顔や頭は叩いていない。彼女は自分でドライバーの柄を体に押し付けたり、塩化ビニール管も自分で押し付けたりしていたので、アザができていたのかもしれない」
「被害者は友達とも自由に連絡が取れなかったのではないか?」
「友達はいないと言っていました」
臓器破裂の原因は⋯
「あなたが山中で被害者を隔離していたからではないか?」
「隔離などしていません」
「被害者の胆嚢が破裂していた原因は何か?」
「彼女は昨年から『お腹が痛い』と言っていて、『白い大便が出た』と言っていた。私は胆石を疑い、ネットで検索したところ、2〜3日絶食してから、オリーブ油を飲むといいと書かれていた。ついでに胆石も出てしまう方法をやっていた」
「事件後に自殺を図ったのはなぜだ?」
「何をするにも一緒だったのに、彼女が死んでしまい、生きていても仕方がないと思ったからです」
「遺族に何か言うことはないか?」
「私が殺したわけでもないのに、何が原因で死んだのかも分からないのに、何も言うことはありません。今は冥福を祈るだけです」
殺人罪にならなかった理由
結局、検察は殺人罪では起訴できず、結果的に死なせてしまったという傷害致死罪で起訴するしかなくなった。検察側は「SMプレイの行きすぎによる死亡」と断定。だが、藤井は彼女の死の真相については貝のように口を閉ざし、曖昧な説明を繰り返した。
「事件当日は午前3時頃に寝た。彼女は起きていて酒を飲んでいた。
『飲み過ぎるなよ』と言うと、『今日は私のお金で買ったんだからいいじゃん』と言われた。途中で起こされて『もっと飲もうよ』と言われたが、1口だけ飲んでそのまま寝た。すると彼女がローションを持ってきて、『寝ないでよ〜』と言いながら、私の性器をいじってきたが、あまりにも眠くて背中を向けると、足で背中を蹴ってきた。
その後、昼過ぎにドアを叩く音で目が覚めた。彼女がいなくなっていたので、家の中の猫が逃げないようにして玄関に向かうと、彼女が『犬が逃げた』と言いながら、家の中に入ってきた。
彼女の右目が赤くなっていたので、『どうしたの?』と聞くと、『北側の2階の倉庫から落ちた』と言っていた。それから2人ともまた寝たが、気付いたら彼女が大便をして死んでいた。救急車が来るまでは、人工呼吸や心臓マッサージをしていました」
その後、男は⋯
裁判所は「司法解剖の結果と被告人の説明はまったく合致しない。被害者の背中や頭を塩化ビニール管で複数回殴った上、刃物で腰を切りつけるなどして出血性ショックで死亡させた」と認定し、「被害者が死に結びつく強い暴行に同意していなかったのは明らかだ」とした。
「被告人は犯行を否認し、反省や謝罪の姿勢もない」として、懲役8年を言い渡したが、具体的にどんなプレイで死に至らしめたのかは永遠に謎のまま、藤井は獄中へと逃げ切った。
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「臓器が破裂」「布団で脱糞していた」ーー夫婦のあまりに過激なプレイとは⋯⋯。
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(諸岡 宏樹)
