和歌山でも、鹿児島でもない…「空き家率」が高い都道府県ランキングワースト「意外な県」の名前
日本全国には900万戸を超える空き家が存在する。親の死後、実家をそのまま放置していると、劣化が進み資産価値が減るどころか多額の固定資産税を支払う必要まで出てくる。購入時ほどの価値もなく、カネだけかかる物件をどうやって手放せばいいのか。
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築35年以上のマンションは価格が急降下
マンションについてはどうか。都心部の価格は上がっているがーー。
「首都圏の築年数別の中古マンションの平均成約価格の推移を見ると、立地が良いマンションを除けば、築35年を超えると明らかに価格が下がっています。住まなくても管理費などが定期的にかかるので、早いうちに売ったほうがよいでしょう」(明治大学教授の野澤千絵氏)
首都圏でも、維持管理費や修繕積立金の負担が大きくなった古いマンションを、希望価格で売るのは難しいという。
総務省の調査によると、最も空き家率が高い都道府県は徳島県で、21.3%(右上図表参照)。ちなみに最も空き家の数が多いのは、東京都の89万6500戸(空き家率は10.9%)である。
野澤氏は、65歳以上の高齢者のみが住む住宅を、将来的に空き家になる可能性が高い「空き家予備軍」と捉えている(戸建て住宅が対象)。その空き家予備軍は、全国で約924万戸にものぼる。
大阪の中心部に空き家が増えていく
上に、三大都市圏で「空き家予備軍率」の高い自治体を挙げた。東京圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)を見ると、南房総市が47.8%と最も高い。都内では台東区が高く、区内の中古住宅が大量に市場に出たり、空き家となることが予想される。
名古屋圏(愛知県・岐阜県・三重県)では、豊橋市・豊川市のベッドタウンである新城市のほか、県庁所在地の岐阜市も高い。大阪圏(大阪府・京都府・兵庫県・奈良県)ではニュータウンのある河内長野市のほか、大阪市生野区・淀川区など、中心部でも空き家が増えていく。
今後、全国で空き家が増えるなかで、どうすればスムーズに家を手放せるのか。
「まずは物件の境界と面積を確定させること。そのうえで、隣人に物件を買ってもらうのが手っ取り早いです。過疎地域であっても、2世帯住宅に建て替えたいニーズがあるなど、有効活用してもらえる可能性が高い」(野澤氏)
隣人に売る場合でも不動産業者を頼るのが安心だが、その選定にもコツがある。
「大手の不動産業者よりも、その地域の需要をよく知っている地元の業者に頼りましょう。実際、千葉の土地を売ろうと地元の不動産業者に相談したら、資材置き場として不動産を買い集めている地元企業を知っていて、難なく売れたケースがありました。
また、名刺やチラシに記された業者の免許番号の、カッコで囲まれた数字を見ましょう。不動産業の免許は5年に1回更新されますが、カッコ内に3と記されていれば、更新2回目で10〜15年続く業者ということ。信頼性を測る基準になります」(前出の牧野氏)
業者以外では、空き家の売り主と買い主が直接やり取りできるマッチングサイト「家いちば」を使う手がある。空き家情報を収集して希望者に提供するマッチングシステム「空き家バンク」を積極的に進めている自治体もある。
様々な手段を検討して、厄介不動産とおさらばしよう。
「週刊現代」2026年5月25日号より
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