船はコスパ最強の輸送手段? 巨大コンテナ船が物流の主役であり続けるワケ【眠れなくなるほど面白い 図解 船の話】
船の最大の特徴は圧倒的な輸送力
物流の中心を担う船の強み
物流を支える輸送手段のひとつである船。その最大の強みといえば、一度に大量の荷物を運べる点でしょう。鉄道やトラックでは何十台、何百台も必要になってしまう荷物量でも、船なら一隻に積み込むことができます。特に、現代の巨大コンテナ船には2万個を超えるコンテナを載せられるものもあるほどです。
これほど大きな輸送力を実現できるのは、浮力を利用して、重さを気にせず巨大な船を建造できるためです。陸上では道路や橋の幅や強度には限界がありますが、海上では船体の大きさそのものが輸送力へ直結します。
加えて、長距離を低燃費で輸送できる点も重要です。同じ重量の荷物を運ぶ場合、船が使うエネルギーは航空機や大型トラックよりはるかに少なくて済みます。長い航路になるほど、燃料効率のよさが大きな利点になるのです。
このように、船のよさはもっとも少ないエネルギーで大量の荷物を運べることです。近年では、この特長に注目した「モーダルシフト」という動きも見られます。これは、人や荷物の移動手段を、環境負荷の小さいものへ切り替えようとする取り組みです。特に物流では、トラックによる貨物輸送を船へと転換することで、環境負荷の軽減やドライバー不足の解消が目指されています。
巨大船が生む“量の力”
積載量
コンテナ船で一度に運べる貨物量は非常に多い
巨大船体
船体が大きいほど、たくさんのコンテナを内部や甲板上に積み込める
巨大コンテナ船は一度に数万個のコンテナを運べるほど積載量が大きく、世界の物流を支える「量の輸送」の中心となっています。
海運は燃費がとてもいい
輸送効率の比較
同じ重さの荷物を運ぶ場合、船はとても燃料効率がよく、コストを抑えて長距離を走れるため、国際物流の主役となっています。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 船の話』監修:池田良穂
【監修者情報】
池田良穂(いけだ・よしほ)
1950年北海道生まれ。大阪府立大学大学院工学研究科博士後期課程船舶工学専攻修了。同大学工学部船舶工学
科助手、助教授を経て、同大学大学院海洋システム工学分野教授に就任。退職後、現在は大阪府立大学名誉教授、大阪公立大学客員教授。
船舶工学研究活動に従事し、著作活動では船舶工学・海洋工学等に関するテーマで70冊あまり執筆。主な著書に『図解 船の科学』(講談社)、『基礎から学ぶ海運と港湾』(海文堂出版)、『船の最新知識』(SBクリエイティブ)、『船舶算法と復原性』(共著、成山堂書店)、『船のしくみ パーフェクト事典』(ナツメ社)などがある。2023年日本船舶海洋工学会「船舶海洋技術賞」受賞。雑誌、新聞等への寄稿も多く、日本における船舶の理解と認知度の向上に貢献したとして、2025年に国土交通大臣から「交通文化賞」を受賞。
