新居を建てるとき、意外と悩むのが家具選び。家が完成してからゆっくり選ぶのか、それとも設計段階から考えておくのかが迷いどころ。5年前に注文住宅を建てた、整理収納アドバイザー1級で住宅収納スペシャリストの資格をもつ武井優音さんは、「家づくりと家具選びを並行して考えてよかった」と語ります。今回、武井さんに家具選びで後悔しないための工夫を教えてもらいました。

5年住んで実感する「家具選び」の正解

わが家は筆者、夫と長男(11歳)、二男(9歳)の4人暮らし。5年前にハウスメーカーで2階建ての注文住宅を建てました。

【実際の写真】同じもので揃えなくてもおしゃれ見え!

1階にはLDKと隣に趣味室、玄関、トイレ。そして2階には、浴室、洗面所、ランドリールーム、ウォークインクローゼット、子ども部屋、寝室、トイレがあります。

新居を建てるとき、意外と悩むのが家具選び。家が完成してからゆっくり選ぶのか、それとも設計段階から考えておくのか。予算とのバランスもあり、わが家もかなり迷いました。

でも、5年暮らしてみて感じるのは、「家づくりと家具選びを並行して考えてよかった」ということ。満足している家具もあれば、少し後悔しているものもあります。

今回はその実体験から、やってよかった家具選びのコツを紹介します。

1:ダイニングテーブルは“内装との一体感”を優先

LDKの印象を大きく左右するのがダイニングテーブル。わが家はキッチンと同素材で、キッチンメーカーにオーダーしました。

オープンキッチンと色味がそろうことで、空間全体に自然な統一感が生まれています。テーブルはキッチンの天板と同じ素材のため、熱にも汚れにも強くて実用的です。

また、家づくりと同時に注文したため、引き渡し時には設置された状態だったのもラクでした。大きく存在感のある家具こそ、単体で考えるのではなく「空間の一部」として選ぶと失敗しません。

2:イスは「色」と「高さ」をそろえる

ダイニングテーブルのイス選びで意識したのは、座面の高さと色味のトーン。テーブルとのバランスが取れていれば、メーカーが違っても違和感はありません。新たに買うイスはキッチンの黒色と合わせました。

テーブルの高さはものによって違うので、座るとテーブル作業がしにくい、なんてことも起こりうるため、高さの確認は必須です。

とくにイスは、必ず座って選ぶことが重要だと感じました。

家族でも、座り心地は人によってまったく違ったからです。背もたれが革のタイプは手入れが不安でしたが、5年使っても大きな傷みはなく、むしろ体になじんで快適に。経年変化も味わっています。

3:ソファ選びは「動線」から逆算する

リビングのソファは、まず配置を決めてから選びました。テレビや音響(天井スピーカー)との位置関係から、部屋の中央に置く必要があったからです。

そして選んだのは、背の低い抜け感のあるタイプ。キッチンからの視線をさえぎらず、圧迫感を抑えてくれます。また、オットマンでL字にもできるフレキシブルな仕様にしたことで、来客時に合わせて形を変えられるのも便利。

デザインの好みだけでなく、動線や使い方を具体的に想像すること。これが、長く満足できる家具選びにつながりました。

4:将来的に変更可能な仕様にしておく

寝室は布団にするか、ベッドにするかで最後まで迷いました。間取り設計当時は子どもたちと一緒に布団で寝ていたけれど、そろそろ別で寝られそうだったからです。

そこで、どちらにも対応できる床仕上げにしておくことに。隣のウォークインクローゼットは布団が収納できるよう押入れサイズの場所を確保しました。

結果的に、子どもたちは子ども部屋で寝るようになり、ダブルベッドを置きました。もし最初から畳など固定的な仕様にしていたら、選択肢が狭まっていたかもしれません。

ベッドに戻ると腰がすごくラクで、床にしておいてよかったと思いました。ウォークインクローゼットは押入れサイズの引き出しを使い、収納場所として活かしています。

家族のライフスタイルは変わります。迷う場所ほど、「あとから変えられる余白」を残しておく。これは住んでから実感した、大切なポイントです。

5:子ども用イスは成長に合わせて見直す

これは最近の話になりますが、入居当初は足置きつきの子ども用チェアを使っていた小学校高学年になった息子たちが「大人と同じイスがいい」と言い出しました。入居4年目に木のイス(上の写真手前側)に買い替えました。

本人たちに選ばせたところ、満足度も高く、座り心地も向上し、集中できるようになりました。子どもたちがつい立ち上がって危険だった足台がなくなり、親も安心。

そもそも、子ども用のイスは「長く使う前提」で大人まで使えるものを購入していましたが、成長に合わせて見直すほうがよいのかも、と感じました。

●唯一の後悔は「ワークスペースのデスク」

一方で少し後悔しているのが、ワークスペースの机。カウンター高さで造作したため、イス選びが難しくて。造作でなく高さを調整できるデスクにしておけばよかったと感じています。

造作は見た目がすっきりしますが、柔軟に対応しにくいこともあります。

家具選びに迷ったら「プロに相談」が安心

家具選びは、筆者も悩みすぎて決められなくなったことも。そんなときは、店員さん(プロ)に図面や家づくり中の写真を見せながら相談。空間全体を共有することで、完成後のイメージ違いを防ぐことができました。

もちろん、家具はあとからでも買えます。でも、家づくりの段階で「どんな家具を置きたいか」まで想像しておくことで、間取りや内装とのバランスで悩むことが減ると思います。

・大きな家具は空間との一体感を意識すること
・イスやソファは使い方から逆算すること
・迷う場所には将来の余白を残すこと

5年暮らしてみて、ようやく自信をもって言える家具選びのコツです。