脳科学者の茂木健一郎氏が、自身のYouTubeチャンネル「茂木健一郎の脳の教養チャンネル」で「アメリカの軍事スタートアップ、アンドゥリルが日本に上陸して、国産ドローンをつくることの意味」と題した動画を公開。米国の軍事スタートアップ「Anduril Industries」の日本進出を「ゲームチェンジャー」と位置づけ、日本の防衛産業のあり方に一石を投じる出来事だと論じた。

動画で茂木氏は、Andurilの創業者であるパーマー・ラッキー氏が、VRゴーグル「Oculus」の創業者でもある異色の経歴を持つ人物だと紹介。その上で、従来の軍事産業が抱える構造的な問題を指摘した。氏によると、これまでの兵器開発は、かかった費用に利益を上乗せする「コスト積み上げ方式」が主流で、迅速な開発やコスト削減への動機が働きにくい仕組みだったという。これに対しAndurilは、スタートアップの文化を持ち込み、より速く、安く、高性能な兵器を開発することで、業界の常識を覆そうとしていると解説した。

特に、Andurilが注力するドローンをはじめとする「UAS(無人航空機システム)」は、現代の戦争において極めて重要な役割を担っていると茂木氏は語る。安価なドローンを大量に投入する「スウォーム(群れ)」戦術は、巨額の費用を投じて作られた空母ですら無力化する可能性を秘めているという。同社の日本進出は、台湾有事をはじめとする地政学的リスクを背景にした動きであり、これまで軍事研究に慎重だった日本の産業界や学術界にも大きな影響を与えうるとの見方を示した。

茂木氏は、この動きが日本の防衛産業にとって「黒船」のような存在になるかもしれないと語る。Andurilの参入をきっかけに、日本の防衛技術開発が新たな段階に入るのか、その動向を注視すべきだと締めくくった。

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