動画「香川県立体育館のことと、人間の自由意志のこと」で、脳科学者の茂木健一郎氏が、丹下健三氏設計の香川県立体育館解体決定を巡る騒動と、それに関連して行政の文化的価値判断の難しさ、人間の自由意志について語った。

茂木氏は冒頭で「なんかね、こういう風に活かせますよっていう方々が、文章を出すと言ってたのに、その前にそういうことをやられてしまった」と、県側の唐突な解体推進に疑問と苛立ちを表明。「一度壊しちゃったらもう二度と戻らないですからね。世界遺産になるかもしれないということで」と、同館が持つ世界的な建築価値を強調した。

行政が解体に至る理由については、「行政の中立性っていうか、他の案件と同じようにやってるだけ」と述べつつも「日本の行政は、文化的な価値を判断するのがすごく苦手」と指摘。その理由として、「文化的価値って結局主観なんで、建築は取引されないから、市場価格もなくて、そういうことをやるのが極めて苦手」と語る場面もあった。

さらに、「有識者の意見を聞くというやり方を行政の方はされると思うんで、今回も有識者の意見をぜひ聞いていただきたいな」と積極的な議論を促し、今からでも遅くないとした上で「それなりの見識を持っていらっしゃる方が集まって、そういう委員会を作られたらいいんじゃないかな」と提案した。

茂木氏は、香川県知事に対しても「トップダウンで決断できるのは知事さんだけ」「良識ある、英知ある判断をしていただきたいな」と強く要望。「丹下健三さんの建築物っていうのは、本当世界遺産になる可能性あるんでね」と香川県が持つ文化的資産の価値を再度訴えた。

終盤では「行政ってやっぱり、そういう判断ができるってことが首長さんの役割」「思考停止しないで、自分で決めようって思えたら、それが自由意志がもしこの世にあるとするならば一番それに近い」と、行政の柔軟な対応と創造的決断の重要性に言及。最後に「本当に良識ある判断を、期待するところでございます」と締めくくり、「一応これコメディとして作ろうと思ったんですけど、真面目な感じになってしまいました」とユーモアもにじませて動画を終えた。

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