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ネクターハードセルツァー(Nectar Hard Seltzer)にとって、160万人のフォロワーのネットワークは、実質的に商品開発チームの一部だ。

新しいフレーバーの多くは、メッセージやディスコード(Discord)でアイデアや意見を出した人々から生まれたものだ。同社はアジアンフレーバーのセルツァーを販売しているが、4つのフレーバーすべてを顧客が選んだ新しいバラエティーパックも開発中だ。スナックブランドのベリウェリ(BelliWelli)などほかのブランドも、パッケージについてのフィードバックを得るためにコミュニティを活用し、家具ブランドのサバイ(Sabai)は新商品の開発にインスタグラムのストーリーを活用している。

「これによって、推測の域を脱することができる」と、ネクター(Nectar)の共同創設者でCEOを務めるジェレミー・キム氏は述べている。

「フォロワーはチームの延長だ」



ネクターのように、商品の開発、流通、マーケティングなどブランド構築に関する重要な決定を買い物客に委ねている新興企業は多い。ブランドが一般の人々からフィードバックを集めることは珍しくないとはいえ、これまでは社内のチームが最終決定権を留保していた。しかし新興企業は、フォロワーの関与を求めることがコミュニティ構築のためには効果的で、ブランドの決定を行いやすくなることを学びつつある。

「多くの点で、フォロワーはチームの延長だ。役員室に座って、データをもとに決定を行おうとするのは簡単だ。そして、それによって多少の定量的な洞察も得られる。しかし、決定には定性的な要素も大きく関わってくる」と、インフルエンサーマーケティング企業のグリン(Grin)でマーケティング担当バイスプレジデントを務めるアリ・ファザル氏は述べる。

ネクターの場合、買い物客からのフィードバックを得ることで、より効果的にブランドを拡大することが可能になった。フレーバーとは別に、ネクターをどの都市で最初に発売してほしいかについてもファンは投票できる。たとえば、テキサスの買い物客に対して、食料品を普段どこで買うのかと質問したとき、圧倒的多数がスーパーマーケットのH-E-B(エイチイービー)と回答した。同社が今年、テキサスの3つの都市のH-E-B店舗で販売を開始したとき、3日間で2500人以上が集まり、12本パックが9000パックも売れた。

ネクターがアンケート調査を行うときは、一般に400〜1000件程度の回答が得られる。新しいフレーバーの立ち上げを計画していたとき、最初にフォロワーからのフレーバーの提案を集め、それから提案のうちもっとも多かった10のフレーバーに絞り込んだ。その後、その10フレーバーのうちでどれを次に発売してほしいか、フォロワーの投票を再度受け付けた。

「時間をかけてアンケートに回答してくれたり、我々のために電話番号を教えてくれたりするのは貴重な顧客だ」とキム氏は語る。ネクターのアンケートに答えた回答者は、抽選でステッカーやグラスなどの商品をランダムに獲得できるチャンスがある。

定性データ活用のリスクも



ネクターと同様に、サバイも最初の商品ラインを立ち上げる前にフォロワーに相談した。サバイは以前、インスタグラムストーリーズ(Instagram Stories)のアンケート機能を使って、脚のスタイルや布地などの商品の特徴について人々に質問することで、初期の製造失敗を減らしていると、米モダンリテールに語った。スパークリングカクテルブランドのスピリッツソサエティ(Spritz Society)も、フレーバーやパッケージのデザインについて、フィードバックを得るためにフォロワーに質問している。この決定により、同ブランドは前評判を高め、発売から24時間以内に10万ドルを超える収益を生み出すことができた。

リングコミュニケーションズ(Ring Communications)の創設者でサフォーク大学(Suffolk University)の助教授であるキンバリー・リング・アレン氏は、新興企業を取り巻く環境において、市場に競合他社があふれかえっている現在、買い物客をつなぎ止めることは困難だと語る。パッケージや、どのような商品をローンチするかについて、買い物客の意見を求めることにより、人々は自分たちがそのプロセスの一部だと感じるようになると、同氏は述べている。

「これは、熱心なフォロワーたちを育て、維持するための行動だ。自分たちの意見が聞き届けられていると顧客に感じてもらえる。また、ビジネス上の決定を、消費者に響くと思われるものではなく、実際に消費者に響くものにできる」と同氏は語る。

グリンのファザル氏は、どのような種類の定性的フィードバックを利用する場合でも、本質的なリスクが存在すると語る。調査に回答する人々は、あくまでブランドの顧客ベース全体のごく一部にすぎないと同氏は付け加えてた。場合によっては、定性データの整理が難しいこともある。

「オーディエンスからのフィードバックだけを使って意思決定を行うと、間違った方向に進んでしまうことも多い。会社が提示するアンケート調査やディスコードに参加したり、フォームに入力したりする人々は、その会社の市場全体のうちごくわずかを占めるにすぎないだろう」と同氏は述べている。

思い込みを避ける「視点」



それでも、新興企業の創設者たちは、オーディエンスの視点を得ることで、自分たちの個人的な思い込みに基づく過ちを避けることができると語る。

たとえば、ネクターは最初の頃、パッションフルーツオレンジグアバのフレーバーが人気なのはハワイだけだと予測したが、ワシントン、カリフォルニア、ニュージャージーといった州の回答者からも評価が高いことが明らかになった。ベリウェリの創設者であるケイティ・ウィルソン氏は、4つの異なるパッケージのレイアウトを買い物客に見せたとき、ほとんどの人々が選んだのは、同氏がもっとも予想しなかった選択肢だったと述べている。

「問題の一部は、自分自身のブランドに没頭しすぎてしまうことだ。私自身、自分のブランドに没頭するあまり、時に目の前が見えなくなってしまうことがある。自分が考えるのが最高のアイデアだ、自分は創業者なのだから誰よりも理解している、と思っていても、実際にはそうでないことがほとんどだということを、何度も学ばされた」と同氏は述べている。

[原文:How startups are letting followers dictate brand decisions: ‘They’re an extension of the team’]

Maria Monteros(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via BelliWelli