熊本ユースの道脇は、中3ながらトップチームに2種登録。今季のJ2第5節ではベンチ入りを果たした。写真:森田将義

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 高校入学前の中学3年生ながら、ロアッソ熊本の2種登録選手としてJ2リーグ第5節のV・ファーレン長崎戦でベンチ入りを果たしたのが、熊本ユースのFW道脇豊だ。

 Jデビューこそ果たせなかったが、昨年度から度々トップチームの練習や練習試合に帯同してきたことからも、チームの期待の大きさが伝わってくる。今年3月末に大阪のJ-GREEN堺で行なわれたPUMA CUP in 堺でもポテンシャルの高さを随所で見せつけた。

「平均的に全部できるのが自分の強さだと思う」と自己分析する通り、FWとして必要な要素を高いレベルで兼ね備えているのが彼の強みだ。186センチ・70キロの恵まれたフィジカルを活かしたヘディングやポストプレーが真っ先に目をひき、最前線に留まり続けるのではなく、空いたスペースに飛び出し続けることもできる。

 また、保育園の頃から父親と練習して身に付けたという左右両足でのシュートも持ち味だ。課題は、周囲とのコミュニケーション能力。3月上旬に行なわれたU-16日本代表候補合宿やPUMA CUPでも良い動き出しをしながらも、ボールを呼び込めない場面が多かったという。
 
「パスを出す選手が、自分が動いていることを見てくれていないとパスは来ない。受ける前にしっかり声で自分の動きを知らせて、要求できるようにしていきたい」

 プロが相手でも背後への抜け出しには手応えを掴んだが、抜け出した後の接触や相手を背負うプレーでは勝てず、課題が明確となった。「クロスが上がった時の入り方とか、相手の死角から先に前に出てボールを触ったりする動きが、とても上手だった。献身的な守備も良いなと思った」というトップチームのFW郄橋利樹のプレーをお手本にしながら、レベルアップに励んでいる。

 いち早くプロの世界を体験し、サッカーに対する意識の高さを体感できたのも大きな財産だ。長崎戦でメンバー入りを経験して感じたのは、Jリーガーの勝利に対する意識の強さとこだわりだった。

「勝つための準備を何時間も前から選手たちがやっているのを見て、こだわりの強さを肌で感じる事ができました。自分が行った試合では、スタジアムに入る前に捕食をとる時間があった。その時にも、しっかり自分に必要な物は何か考えながら食べていた。食べ物に関しても意識が高いんだと感じた。移動でも音楽を聴いて集中したり、試合前のストレッチやエクササイズでも一人ひとりが自分の身体と向き合っていた。そういう所はプロだなと感じました」
 
 小5から熊本の試合を見に行き、安柄俊に憧れを抱いていた道脇にとって、憧れのスタジアムの空気をピッチレベルで味わえただけでも感無量だったが、今後はプロデビュー、そしてさらなる上のステージを狙っている。

「毎試合、点が決められる選手、相手にとって怖い選手であり続ける事が目標。そして日本代表に入って日本を代表するストライカーになりたい。憧れである大迫勇也選手の次に出てくるストライカーは誰かみたいになっていると思うんで、そこに自分が食い込んでいきたい」
 
 決して大層な目標ではない。A代表のストライカーに名乗り出るだけの可能性を秘めた選手であるのは間違いない。この先、彼がどんな成長曲線を描くのか楽しみだ。

取材・文●森田将義(サッカーライター)

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