中3ながらJ2でベンチ入り。熊本ユースの“大器”道脇豊が秘める大きな可能性「日本を代表するストライカーになりたい」
Jデビューこそ果たせなかったが、昨年度から度々トップチームの練習や練習試合に帯同してきたことからも、チームの期待の大きさが伝わってくる。今年3月末に大阪のJ-GREEN堺で行なわれたPUMA CUP in 堺でもポテンシャルの高さを随所で見せつけた。
また、保育園の頃から父親と練習して身に付けたという左右両足でのシュートも持ち味だ。課題は、周囲とのコミュニケーション能力。3月上旬に行なわれたU-16日本代表候補合宿やPUMA CUPでも良い動き出しをしながらも、ボールを呼び込めない場面が多かったという。
「パスを出す選手が、自分が動いていることを見てくれていないとパスは来ない。受ける前にしっかり声で自分の動きを知らせて、要求できるようにしていきたい」
プロが相手でも背後への抜け出しには手応えを掴んだが、抜け出した後の接触や相手を背負うプレーでは勝てず、課題が明確となった。「クロスが上がった時の入り方とか、相手の死角から先に前に出てボールを触ったりする動きが、とても上手だった。献身的な守備も良いなと思った」というトップチームのFW郄橋利樹のプレーをお手本にしながら、レベルアップに励んでいる。
いち早くプロの世界を体験し、サッカーに対する意識の高さを体感できたのも大きな財産だ。長崎戦でメンバー入りを経験して感じたのは、Jリーガーの勝利に対する意識の強さとこだわりだった。
「勝つための準備を何時間も前から選手たちがやっているのを見て、こだわりの強さを肌で感じる事ができました。自分が行った試合では、スタジアムに入る前に捕食をとる時間があった。その時にも、しっかり自分に必要な物は何か考えながら食べていた。食べ物に関しても意識が高いんだと感じた。移動でも音楽を聴いて集中したり、試合前のストレッチやエクササイズでも一人ひとりが自分の身体と向き合っていた。そういう所はプロだなと感じました」
小5から熊本の試合を見に行き、安柄俊に憧れを抱いていた道脇にとって、憧れのスタジアムの空気をピッチレベルで味わえただけでも感無量だったが、今後はプロデビュー、そしてさらなる上のステージを狙っている。
「毎試合、点が決められる選手、相手にとって怖い選手であり続ける事が目標。そして日本代表に入って日本を代表するストライカーになりたい。憧れである大迫勇也選手の次に出てくるストライカーは誰かみたいになっていると思うんで、そこに自分が食い込んでいきたい」
決して大層な目標ではない。A代表のストライカーに名乗り出るだけの可能性を秘めた選手であるのは間違いない。この先、彼がどんな成長曲線を描くのか楽しみだ。
取材・文●森田将義(サッカーライター)
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