Reuters / Dado Ruvic
Reuters / Dado Ruvic

今月はじめにすでにロシアでの有料サービス提供を停止していたSpotifyが、新たに「ロシアでのサービスを完全に停止する」ことを明らかにしました。エンタメニュースサイトVarietyはSpotifyの声明で「ロシアにおいて信頼できる、独立した情報提供をするために何らかの形でのサービス維持継続を重視してきた」と述べ、無料プランによる音楽やポッドキャストの提供を継続していました。

しかし「最近ロシアで制定された法律が表現の自由を排除するとともに情報統制を強化し、ある種のニュース発信が犯罪と見なされるようになった」として、従業員だけでなく、おそらくは消費者の身までも危険に晒す可能性があると判断したとのこと。

Spotifyはロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まった直後に有料プランのPremiumサービスを停止し、さらにロシア政府の影響が強いニュースソースであるRTとSputnikのポッドキャストコンテンツなどを削除、今年2月に設置したばかりのロシア現地オフィスも無期限で閉鎖しました。しかし従業員は在宅で作業に従事して無料プランを維持し、ロシアのリスナーが世界のニュースを伝えるポッドキャストなどに触れる機会を提供していました。今回の動きではこの無料プランも停止し、すべてのサービス提供をいったん取りやめることになります。

Spotifyは2020年7月から、ロシアとウクライナを含む欧州10か国でのサービス提供を開始していました。ロシアからの収益は全体の1%程度で、サービス停止したところで会社の財政に与える影響はほとんどないと言って良さそうです。ただそれでもSpotifyはロシアの従業員、そしてウクライナの従業員に対して個別のサポートを提供していると述べています。またウクライナへの人道支援のために従業員が拠出した寄付金には、会社からその2倍の額を付与していることも明らかにしています。

SpotifyのライバルApple MusicやDeezerなどは3月上旬の時点でロシアでのサービスを停止しています。各国からの経済制裁が次第に強化されるなか、むしろSpotifyがこれまでサービスを提供してきたことのほうが異例とも言える状況でした。

Source:Variety