ボートのモーターにはワニの歯形が(画像は『9News 2022年2月15日付「Fishermen attacked by five-metre crocodile while sleeping in boats」(Jason Charles)』のスクリーンショット)

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野生のワニ(クロコダイル)が多く生息することで知られるオーストラリアのノーザンテリトリー州にある川で、男性が寝ているボートを体長5メートルほどの巨大なワニが襲った。ワニの急襲を振り切り、無事生還した男性が今月15日、その恐怖体験を『9News』に語っている。

豪ノーザンテリトリー州アーネムランド半島にあるケイトー川(Cato River)で今月12日、釣りのために川で寝泊まりしていたジェイソン・チャールズさん(Jason Charles)のボートが野生のワニに襲われた。

友人のデイヴ・ミーグルさん(Dave Miegle)と共に11日から釣り旅行に来ていたジェイソンさんは初日の釣りを楽しんだ後、川にいかりを降ろしてそれぞれのボートで一夜を明かしていた。

しかし翌朝5時、ジェイソンさんは100メートルほど上流に停泊していたデイヴさんの叫び声で目を覚ました。デイヴさんは何かを必死に伝えようとしていたそうだ。

当時のことをジェイソンさんは、このように振り返っている。

「俺のボートの側面にワニがぶつかっていたんだ。」
「デイヴはボートを見渡した後、ワニの全長を確かめると『ワニだ! ワニがいる!』と叫び始めた。」
「その声で目を覚ましたのさ。」

ジェイソンさんはすぐに、夜明け前のまだ暗い水面へと注意深く目を向けた。すると背筋も凍るような光景が飛び込んできたという。

「俺が体を起き上がらせていると、ボートから10メートルほど先に大きな水しぶきが上がったんだ。」

なんとジェイソンさんが乗る全長4.2メートルほどの小さなボートに、体長5メートルほどの大きなワニが向かってきていたのだ。

ジェイソンさんはワニに襲われた時の様子を、こう明かしている。

ワニは数分でボートにたどり着き、モーターに噛みついてボートを揺らし始めたんだ。」
「モーターカバーはほとんど引き剥がされた。まだ歯形が残っているよ。」

しばらくするとワニはボートへの攻撃をやめ、水面からジェイソンさんじっと見つめていたそうだ。水面から出ているワニの頭を見て、ジェイソンさんはようやく事態の深刻さに気付いたという。

「以前にもワニを見たことがあったけど、こんなに大きい個体は始めてだった。こんなに攻撃的なやつもね。」
ワニが2回目の攻撃の準備をしていると思い、すぐにボートの前側に移動していかりを引き上げ、デイヴのところに向かったよ。」
「こんなにも怖い思いをしたのは(人生で)初めてだったね。」

こうしてジェイソンさんは、デイヴさんと共にすぐに河口に向けて出発した。

ワニは2人のボートを追跡することはなく、安全な場所に停泊したジェイソンさんとデイヴさんは安堵し、その場でビールを2本ほど飲んだという。

今回のワニの急襲について、ジェイソンさんは「ボートの音がワニの関心を引いてしまったのではないか」と推測している。

「(水面が)とても穏やかな日だったから、ワニはすべて(の音を)聞いていたことだろう。扇風機を付けていたので、もしかするとその振動を感じ取ったのかもしれない。」
「それに今はワニの繁殖期にあたる。ワニは俺たちに“出ていけ”と意思表示していたからね。彼らの縄張りに入ってしまったんだと思うよ。」

ジェイソンさんは今回の恐怖体験と教訓を得て「二度とボートの上では眠らない」と心に誓ったそうだ。

ちなみにオーストラリアでは、2020年9月に漁師の小型船を猛スピードで追跡するクロコダイルが目撃された。専門家は当時、ワニの攻撃的な行動を「とても珍しいことで、とても危険である」と語っていた。

画像は『9News 2022年2月15日付「Fishermen attacked by five-metre crocodile while sleeping in boats」(Jason Charles)(Supplied)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)