スーパードライをPRする期間限定バー「ASAHI SUPER DRY EXPERIENCE」の店内

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 アサヒグループホールディングスは傘下の米国現地法人アサヒビールUSA(カリフォルニア州)を通じて主力ビール「アサヒスーパードライ」の市場拡大に乗り出した。これまで日系レストランなどを中心に展開しており、認知度はまだ低い。ブランド力強化のため、ニューヨーク市で初の期間限定イベントを開催した。先行き他の主要都市でも展開する方針。

 ニューヨーク・マンハッタン地区でスーパードライをPRする期間限定バー「ASAHI SUPER DRY EXPERIENCE」を今月中旬、3日間開催。プレミアムビールとしてブランドの浸透を狙うイベントだ。

 現地メディア、一般のレストランや量販店関係者を招いて、「未来のビール工場」をテーマにバーチャル・リアリティー機器を活用した工場見学体験イベントを開くとともに、スーパードライを試飲してもらった。

 第1弾を東海岸で開催したことについて、荒井政徳国際ビール部門マネジャーは「プレミアムビールの市場としてはニューヨークが最大。ブランド強化を狙い、まずはマンハッタンにくさびを打ち込む」と戦略を明かす。

 米国は日本の4倍もの年約19億ケースという膨大な市場規模。アサヒが1987年に進出し、徐々に販売を伸ばしてきたが、全体からみればまだわずかという。それでも「今がスーパードライを強化するチャンスだ」(荒井マネジャー)と強調する。

 2009年に日本からの輸入販売を始めた樽(たる)生商品が好調で、18年上期の販売も前年同期比15%増と伸びている。消費者のイメージも向上しており、「ブランドを浸透させる好機」(同)とみる。
(文=井上雅太郎)