愛らしい「回転ドラム(キャットホイール)」を歩く姿で親しまれてきたピーちゃん(「あみと天国のうずら」さん提供)※画像はトリミングしています

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「オムツおじいのピーちゃん
 お空に昇ったよ」

【動画】旅立つ17時間前、回転ドラムを回す猫さん

そんな報告がX(@ami_to_uzura)に投稿され、多くの猫好きから「立派な大往生でしたね」「天国でも回転ドラムを回してね」「ありがとう、ピーちゃん」といった声が寄せられました。

愛らしい「回転ドラム(キャットホイール)」を歩く姿で親しまれてきたピーちゃん。最期は眠るように、静かに息を引き取りました。飼い主さんに詳しいお話をうかがいました。

母が40年以上続けた保護活動から引き継いだ命

ピーちゃんは、アメリカンショートヘア柄の雑種の男の子。推定18歳前後です。実は、ピーちゃんの正確な年齢や、名前の由来は分からないそうです。

令和6年3月、約40年間にわたり野良猫の不妊手術や保護活動を続けてきた飼い主さんのお母さまが、81歳で突然亡くなりました。

検死を終えて対面した日は、本来なら一緒にランチへ行く約束の日。カレンダーには「どうぶつ基金」の無料不妊手術チケットを受け取りに行く予定や、捕獲予定まで細かく書かれており、「死ぬ予定ではなかったようです」と振り返ります。

お母さまが残した室内5匹、外猫4匹の計9匹を長野県松本市へ引き取り、そのうちの1匹がピーちゃんでした。

当時から巨大結腸症を患い、定期的な摘便が欠かせない状態。新しい薬で排便は改善したものの失禁することもあり、ある日、回転ドラムを回しながら排便してしまったことがありました。

「うんちまみれのドラムを、数時間かけて掃除しました。それからオムツをはかせるようになり、『オムツおじい』になりました」

1日に10本以上のちゅ〜るを要求 最期まで食べることが大好きだった

ピーちゃんは食欲旺盛な猫でした。日に何度も階段を上り下りしては、ちゅ〜るを催促。他の猫を押しのけながら、少なくとも10本は食べていたそうです。しかし、亡くなる数日前から様子が変わりました。

ちゅ〜るを求めて階段は下りてくるものの、実際には口をつけません。

「亡くなる前日、せっかく降りてきたのにちゅ〜るを食べず、体力もなくなっていたので『最期だな』と感じました」

半年ほど前からはほとんど視力を失い、認知症も進行。それでも回転ドラムを歩き続ける姿は、多くの人に元気を届けていました。

「遊んでいるというより、ちゅ〜るをもらいに前へ進んでいると思い込んでいたように見えました」

そして、最後に回転ドラムを回した17時間後、ピーちゃんは眠ったまま静かに旅立ちました。

「さびしさより、よく生ききったねという気持ち」

飼い主さんは、不思議と悲しみよりも達成感に近い思いがあったといいます。

「亡き母にピーちゃんを返せること、2年2カ月思う存分食べさせてあげられたこともあり、不思議と寂しさはありませんでした。『えらいよ、よく生ききったね!』という気持ちでした」

投稿には、「最期まであっぱれなニャン生でしたね」「キャットホイールは天界にもあるかな?」「眠るように旅立てて幸せな大往生でしたね」など、ピーちゃんを長年見守ってきたフォロワーから温かなコメントが数多く寄せられました。

「奇しくも今日はポロの命日」 忘れられない偶然

投稿への返信で、飼い主さんは「奇しくも今日はポロの命日」とつづっています。ポロちゃんは重度の難治性口内炎を患い、抜歯手術の権威とされる獣医師でさえ目を背けるほど深刻な状態でした。

未承認薬にも挑戦し、食道カテーテルを装着しながら治療を続けましたが、再発を繰り返し、最後は安楽死という決断をしました。

「ほんのわずかですが痛みのない日は、はしゃいでいて普通のかわいい猫でした。私にとって最愛の猫です」

そんな大切なポロちゃんの命日を、ピーちゃんの旅立ちであわただしく過ごすうち、忘れてしまっていたそうです。

「フォロワーさんに教えていただきました。皆さんの優しさが沁みました」

「外猫が0になる日を目指して」

アカウント名の「天国のうずら」は、小脳形成不全と四肢麻痺があった保護猫・うずらちゃんに由来します。保護活動や繁殖制限の大切さを知ってもらいたいという思いから、名づけられました。

現在も飼い主さんは約25年間続けてきた保護活動を続け、自宅シェルターでは多頭飼育崩壊や高齢者宅から引き取った猫、重い病気や障害があって譲渡が難しい猫など約30匹を世話しています。

昨年には全盲の猫「イチ」も迎えました。

「障害があっても普通に暮らせています。私が細々と活動を続けられるのは応援してくださる皆さんのおかげです」

そして最後に、こう語ってくれました。

「猫と人間のトラブルは聞くだけでも心が痛いです。いつか『外猫』『飼い主のいない猫』が0になることを目指して、これからも地道にできることを続けていきたいと思います」

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)