熱中症対策のスポドリで「むし歯じゃないのに歯が溶ける」?歯科医が警告する“要注意な7つの飲み物”
「仕事中の水分補給に、デスクにスポドリ常備!」というビジネスパーソンも多いと思います。外回りの合間に塩分チャージタブレットを口に入れたり、炎天下で経口補水液を飲んだりすることも、もはや夏の定番になっています。しかし、その「良かれと思って続けている習慣」が、実は歯にとって思わぬ落とし穴になることがあります。
歯科医院でそう話す患者さんの歯を診ると、歯の表面が溶け始めていることがあるのです。
熱中症対策として飲んでいるスポーツドリンクや経口補水液、塩分補給の飴。これらをダラダラと口にし続けることで、知らないうちに歯の表面は少しずつ溶けているかもしれません。
◆「むし歯じゃないのに歯が溶ける」“酸蝕歯”の恐怖
歯が溶けると聞くと、「むし歯」を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし実は、むし歯とは違う原因で歯が溶けることがあります。それが「酸蝕歯(さんしょくし)」です。
むし歯は、口の中の細菌が糖を分解して酸を作り、その酸によって歯が溶ける病気です。一方で酸蝕歯は、飲み物や食べ物そのものに含まれる酸によって、歯の表面が直接溶かされてしまう状態を指します。特にスポーツドリンクや経口補水液、炭酸飲料、レモン飲料などは酸性が強いものも多く、頻繁に口にすることで歯の表面を少しずつ溶かしてしまいます。しかも厄介なのは、酸蝕歯は痛みが出にくく、気づかないうちに進行しやすいことです。
「最近、冷たいものがしみる」「前歯の先が薄く透けて見える」「歯の表面が丸くなってきた」――こうした変化があれば、それはむし歯ではなく酸蝕歯のサインかもしれません。さらにスポーツドリンクには糖分も含まれているため、酸蝕歯だけでなく、むし歯のリスクも同時に高めてしまうのです。
◆仕事中の“ちびちび飲み”が一番やばい!量より「時間」が命取りに
酸蝕歯を進行させやすい夏の習慣があります。それが「ちびちび飲み」です。スポーツドリンクや経口補水液は、飲むこと自体が問題なのではありません。むしろ注意したいのは、「少しずつ何度も飲み続けること」です。歯にとって問題なのは、一日に500ml飲んだかではありません。500mlを10分で飲んだのか、4時間かけて飲んだのか、なのです。
歯は酸に触れるたびに表面が一時的にやわらかくなります。しかし通常は唾液の働きによって中和され、少しずつ元の状態に戻ろうとします。ところが、その回復する前にまた酸が入ってくると、歯は修復する時間を失い、ダメージが蓄積してしまうのです。特に夏はこの状態が起こりやすくなります。暑さで喉が渇き、スポーツドリンクを頻繁に口にする。デスクワーク中にペットボトルを机に置き、何時間もかけて少しずつ飲み続ける。冷房の効いた室内では口が乾きやすく、唾液の分泌も減りがちです。さらに塩分補給の飴やタブレットをだらだら口にしていると、お口の中が酸や糖にさらされる時間が長くなります。酸に触れれば酸蝕歯に、糖に触れればむし歯のリスクとなります。
つまり、歯にとって重要なのは「どれだけ飲んだか」より、「どれだけ長く酸に触れていたか」なのです。量より回数。この習慣の違いが、夏の終わりに歯へ大きな差を生むことがあります。
◆夏ドリンクの要注意ランキング
夏になると手に取る機会が増える飲み物。しかし、その中には知らないうちに歯を傷つけてしまうものも少なくありません。
第1位 スポーツドリンク
酸+糖のダブルパンチ。ちびちび飲みの主犯格。
第2位 炭酸飲料
強い酸性。糖が含まれているものも多いです。おやつの時など時間を決めて飲みましょう。

