【休日クラシック・ポルシェ・アーカイブ #30】1978年ポルシェ911ターボ3.3「排気量が2994ccから3299ccへと増大」
1978年ポルシェ911ターボ3.3
ポルシェのパフォーマンス&ラグジュアリーモデルとして送り出された911ターボは、世界中で予想を超える人気を集め、商業的に成功を収めた。
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ライバルに対抗するため、初のマイナーチェンジを実施。1977年8月から生産された1978年モデルに施されたのは、エンジンのスケールアップによりパフォーマンスを向上させることだった。またアメリカでの排気ガス規制の強化に伴ってパワーダウンは避けられず、それを補うために排気量を増大する意味合いもあった。

1978年ポルシェ911ターボ3.3 ポルシェ
エンジンは、ボアを95.0mmから97.0mm、ストロークを70.4mmから74.4mmへと拡大することにより、排気量が2994ccから3299ccへと増大した。圧縮比も6.5:1から7.0:1へと引き上げられ、ターボチャージャーも従来のものより大型かつ軽量なタイプへと変更されている。
進化の大きなポイントは排気量の増大だけではなく、新たに空冷式インタークーラーが取り付けられ、充填効率を高めたことにある。エンジンフードはインタークーラーの設置に伴い、FRP製から鋼板製に変更された。
その他の改良点としては、メインベアリングの大型化、ボッシュ製Kジェトロニック燃料噴射や新たな点火システムのアップグレードがある。これによりヨーロッパ仕様の最高出力は3.0リッター・モデルの260hpから300hpへと向上し、トルクも33.8kg-mから42.0kg-mへと増強された。また、クラッチはディスクハブにラバーを組み込んだフレキシブルタイプとなり、エンジンの搭載位置が30mm後退している。
『ホエールテール』から『ティートレイ』へ
なお、排気ガス規制が厳しいアメリカと日本仕様は、サーマルリアクターの取り付けと96RON無鉛ガソリン指定の浄化対策が施されたため265hpにダウン。最大トルクも40.3kg-mへと低下した。また4速トランスミッションはギア比が見直されている。
最高出力は3.0リッター・モデルの260hpから300hpへと向上し、トルクも33.8kg-mから42.0kg-mへと増強された。

インタークーラーを収めるためにリアスポイラーが大型かつフラットな形状となった。 ポルシェ
これにより動力性能も向上し、最高速度は10km/h速い約260km/hに達した。しかし車両重量は1195kgから1300kgへと増加している。
外観での変更点としては、インタークーラーを収めるためにリアスポイラーの形状変更がある。大型かつフラットな形状となり、目立つ冷却用ベントや厚みのある縁取りが採用され、それまでの『ホエールテール』から、サイドの端が上向きに反り上がった形状の『ティートレイ』へと変更されている。
911が息を吹き返したきっかけ
ポルシェ社は排気ガス規制強化に伴い、930型を米国と日本市場から撤退することを考えていた。
エルンスト・フールマン会長は、いずれは水冷の928が911に取って代わると考え、911開発への投資を削減していた。しかし928は販売不振に陥り、フールマン会長は退役することに。

最高出力は300hpへと向上、トルクも42.0kg-mへと増強した。 ポルシェ
後任のピーター・シュッツは、911開発のための資金を投入することを決める。これにより911は息を吹き返し、現代の隆盛につながるのだった。
911ターボ3.3は、930系の生産が終了する1989年までほぼ同一の仕様で販売された。年次による変化としては、1980年モデルから左側のみでシングルだったテールパイプが左右デュアルに変更された。
リアタイヤが1986年モデルから225/50ZR16から245/45VR16とワイドになり、最終の1989年モデルではトランスミッションの容量を上げ、油圧クラッチが採用された。
●空冷水平対向6気筒3299cc●300hp/5500rpm●260km/h
(当連載は、基本的に土日祝日の午前9時11分に公開しています)

