仙台は鹿島との45分×3本のトレーニングマッチを実施。南は2本目と3本目に出場した。写真:松尾祐希

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「とにかく足が速い…」

 ほとんど何もやらせてもらえず。ベガルタ仙台でプロ2年目のシーズンを迎えたMF南創太はそう言って悔しそうな表情を浮かべた。

 7月15日に行なわれた鹿島アントラーズとのトレーニングマッチ。45分×3本で実施された一戦は合計スコア0−5で敗れた。その試合で2本目と3本目に右サイドハーフで出場した南は、A代表歴を持つ対面の左SB小川諒也に大苦戦。ほとんど何もやらせてもらえずに終わった。

 ボールを持つ時間も少なく、素早く寄せてくる小川のプレー強度に圧倒されたのは一度や二度ではない。ボールを保持させてもらえず、得意のカットインを繰り出す場面もなかった。状況判断も良いとは言えず、ロストする場面が散見。力の差を見せつけられた一戦後、南は自身のプレーを振り返って反省の弁を述べた。

「チーム的に仕掛けてほしいという狙いを持って入って、(チャレンジをしたいという意味で)ノージャッジで仕掛けるというところを自分のコンセプトとしてやったけど、絶対に無理だろという場面で仕掛けるケースが多かった。

 試合にもっと慣れていけばもう少しボールロストが減るとは思うけど、紙一重みたいなところがある。抜ければやっぱり評価されるけど、取られれば評価されない。状況判断に関してはもっと大人にならないといけない。高校生の時みたいにガンガン行くみたいなところは忘れちゃダメだけど、もっと冷静に判断しないといけないです」
 
 FW高岡伶颯(ヴァラシエンヌ)らとともに日章学園高で攻撃を牽引し、期待のレフティとして仙台に加入した南。昨年はJ2で1試合の出場に留まったものの、今年2月にスタートしたJ2・J3百年構想リーグでは12試合で2ゴールをマークした。

「百年構想リーグでは我慢してでも使って、新シーズンには台頭してもらいたい」と森山佳郎監督から大きな期待を受けていただけに、8月にスタートする26-27シーズンはステップアップを目ざすためにも開幕前のキャンプは勝負所だった。しかし、J1クラブとの対戦では結果を残せず、力の差を見せつけられたのは間違いない。こうした経験を自分の力にどうやって変えていくかが今後のポイントになる。

 現在地を知った南の戦いはまだ始まったばかり。本人も鹿島戦の反省を踏まえ、新シーズンに向けて闘志を燃やす。

「全然ダメだなって思うことはないし、絶対に自分ならやれると思って戦う。今日の試合を一つの指標にして、練習から強度を上げていくことが一番」

 やるべきことはたくさんある。左足のキックとキレのあるドリブル突破は魅力的だが、攻撃のクオリティ、守備の強度、フィジカルを強化しなければ、武器は活かせない。開幕まで残り3週間。森山監督が期待を寄せる若きアタッカーの変化に期待したい。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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