マオリ・オールブラックスと対戦したジャパンXV Photo/Getty Images

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日本のテストマッチシーズンの開幕試合として、ラグビー日本代表に準ずるジャパンXVとニュージーランドの先住民族マオリ族にルーツを持つ選手だけで構成されたマオリ・オールブラックス(以下MAB)との対戦が行われ、ジャパンXVは31-38で敗れた。日本代表・ジャパンXVを通じてのMABとの通算対戦成績は1勝8敗。ジャパンXVは昨年に引き続き2連敗となった。

点差だけ見れば接戦ではあったが、最後はMABの底力をまざまざと見せつけられ、ジャパンXVは手も足も出ないという状況で逆転負けを喫した。

立ち上がりからジャパンXVはブレイクダウンでの攻防でフィジカルに勝るMAB相手に互角以上にわたりあっていた。前半8分の先制トライは密集およびその近辺でのバトルで劣勢だったMABのディフェンス網が内側でのバトルに備えようと密集近辺を固めた状況を見てとった、SO伊藤龍之介の大外への見事なキックパスで奪った。MABのお株を奪うような見事なトライだった。

その後1トライを返され、同点のまま30分過ぎまで膠着するが、30分過ぎにMABの選手2名が反則の連続ということで相次いでシンビンを宣告され、ジャパンXVは数的優位な状況を得た。そしてこの優位な時間内に3トライ1ゴールを奪い、24-7と17点もの差をつけた。このようなチャンスを確実に活かす強かさは今までの日本代表、ジャパンXVには見られなかったことで、確かな進歩をうかがわせた。MABの選手たちを反則をしなければ止められない状況にまで追い込んだ密集戦も長足の進歩を遂げたと言って良いだろう。

しかし、この状況がノーサイドの瞬間までは持続しないのが今の実力。前半の頑張りでスタミナ切れを起こしてしまったようで、後半になると、途端にブレイクダウンで後手を踏むようになり、密集戦に多数の人数を割いて守っているうちにディフェンスラインに綻びが生じ、その綻びを的確に突かれて、大幅なゲインを許すようになった。後半20分過ぎから試合終了までは、文字通りMABに好き放題に走られ、4トライ2ゴールを奪われての大逆転負け。「いつか見た、負け試合」が繰り返されてしまった。

ジャパンXVは後半の中盤あたりで、キャプテンの原田衛、バックスリーダーのディラン・ライリーを入れ替えてしまっていたため、悪い流れを断ち切るようなキャプテンシーを持ったプレイヤーがフィールドにいなかったというのも敗因の一つだろう。選手交代のタイミングについても検討の余地は大いにある。

この試合の数少ない収穫の一つは、国際レベルの大会初出場の明治大学4年伊藤龍之介の躍動だろう。2本のトライを産んだキックパスに加え、ランプレイでも度々ディフェンス網を切り裂いた。うまく育てれば、日本代表の切り札に成長する可能性もある。

来週からはいよいよ日本代表が、シックスネーションズの全チームと豪州と対戦するテストマッチシリーズが開幕する。一つでも多くの勝利を観たい。