【マンジャロ】“痩せ薬”として転売横行…胆石・膵炎など副作用も「寒気が止まらない」本来は糖尿病の治療薬…ダイエット目的での使用は健康被害が出ても『救済適用外』の可能性大
「マンジャロ」違法に販売・譲渡した疑いで男女3人が書類送検
2型糖尿病の治療薬「マンジャロ」を違法に販売・譲渡したとして2日、大阪府などに住む男女3人が書類送検されました。
“痩せ薬”としてSNSで話題になっている「マンジャロ」。ダイエット目的で使用した人が副作用に悩まされるなど健康被害も出ているほか、転売が横行しています。
「マンジャロ」の副作用や健康リスクとは?転売の実態とは?実際に使用した女性や医師、転売者に取材しました。
2型糖尿病の治療薬「マンジャロ」なぜSNSで販売?
血糖値を下げる効果がある「マンジャロ」は2型糖尿病の治療薬として2022年に厚生労働省に承認されました。
これまで主流だったインスリン製剤は毎日注射する必要がありますが、「マンジャロ」は週に1回注射するだけで効果が持続し、体への負担が大幅に減るといいます。
(糖尿病患者)
「異常なく。体重とかも絞れてくる。今のところ(マンジャロの)悪いところは1つもないですね」
「毎日元気でいさせてもらっているのは、この薬と先生のおかげだと思っている」
なぜ、糖尿病の治療薬がSNSで販売されているのか…
一部の美容クリニックなどで“痩せ薬”として処方
「週一回楽やせダイエット」
「ダイエットにマンジャロを選ぶ人が増えています!」
インターネットで検索すると、美容クリニックの広告で”医療ダイエット薬”として紹介されている「マンジャロ」。
食欲を抑えたり、満腹感が持続したりする効果があり、一部の美容クリニックなどでは“痩せ薬”としてダイエット目的で処方されているのです。
「刺すだけで痩せる」SNSで話題に 1本約5000円~7000円
保険適用外のため全額自己負担で、価格は1本あたり約5000円~7000円。若い女性の間では「楽に痩せられる」と話題になっています。
(20代女性)「刺すだけで痩せるみたいな」
(10代女性)「広告でもめっちゃ流れてきて、ショート動画とか」
SNS上にはマンジャロに関する投稿が数多く上がっています。
(Tik Tokより)
「マンジャロ効果すごくてびっくり。そりゃ痩せるわ」
「5キロ痩せました。マンジャロダイエットすごいや」
書類送検された3人は、“痩せ薬”として人気の「マンジャロ」を小遣い稼ぎのために転売していたとみられています。
「本当に必要な患者に薬が行き渡らなくなる可能性」
糖尿病治療が専門の医師は、本来の目的ではない需要が増えれば、本当に必要な糖尿病患者に薬が行き渡らなくなる可能性を懸念します。
(ふくだ内科クリニック 福田正博院長)「こういう大切な薬剤もいつ減ってくるか分からない。適切に使われてないところに流れていくと、(供給が減る)リスクがある」
「胃部の不快感・嘔吐・胆石・膵炎」深刻な副作用のリスクも
また、安易な使用は体への負担だけでなく、深刻な副作用のリスクが伴うと指摘します。
(ふくだ内科クリニック 福田正博院長)
「胃部の不快感。ひどくなってくると嘔吐したりとかが一番大きい。あと胆石があったりとか、膵炎を起こしたりとか」
「ちゃんとした指導下で使っていけばいいわけですけども、もともと痩せる必要がない体型の人がより一層痩せるために使うというのは言語道断」
実際に使用し、体に異変が起こった人も…
「ダイエットがどうしても続かなくて…」マンジャロ使用した女性
兵庫県内に住む20代の女性。今年4月、通っている美容クリニックでマンジャロを処方してもらいました。
(「マンジャロ」を使用した20代女性)
「きっかけとしては、いろいろなダイエット方法を試していく中で、どうしても続かないっていうところがあって」
「もともとかかりつけの美容外科があったので、『マンジャロ』が気になるということで相談させていただいて、じゃあちょっとやってみようかと」
体に異変が「寒気が止まらない」「常に微熱があるみたいな感じ」
クリニックで看護師にマンジャロを注射してもらいましたが、その約4時間後、体に異変が起きたといいます。
(「マンジャロ」を使用した20代女性)
「打ってから、当日から3日ぐらいまでは、めちゃめちゃ寒気が止まらなくて。ずっと布団で震えてるって感じ。昼も仕事中も震えながらやっているという感じでした」
「常に微熱があるみたいな感じで。仕事に全然集中できない」
「健康的に痩せなあかんなって」副作用に耐えられず使用中止
思った以上の副作用に耐えられず、結局この1回で打つのをやめたといいます。
(「マンジャロ」を使用した20代女性)
「本当に痩せたいなっていう思いが強かったのでやったものの、その副作用がどうしてもきつすぎて、もうこれはもう続けられへんなって」
「健康的に痩せなあかんなっていう風に考えはシフトしていったかなと思います」
安易に使用すれば健康リスクもあるマンジャロ。しかし、SNS上では違法な転売が絶えません。
記者がマンジャロを転売しているとみられるアカウントに接触すると…
記者が転売者に接触「1本1万円」「クリニックで購入」
(記者)「マンジャロを販売していますか?」
(転売者)「販売しております!」
(記者)「いくらで販売してますか?」
(転売者)「1本1万円です」
価格は1本1万円。自由診療で同じものを処方してもらうのと、価格はあまり変わらないようです。
どこでマンジャロを入手したのか聞くと…
(転売者)「通っているクリニックにて購入したものです!顔のレーザーフェイシャルで通ってるついでに買ってました!」
さらに現物を見せてほしいと尋ねると動画が送られてきました。
糖尿病患者による転売も「服薬予定でしたが打ち忘れ等で在庫多数」
また、別のアカウントは糖尿病患者で、マンジャロを処方してもらったといいます。
(転売者)「糖尿病患者で服薬予定でしたが打ち忘れ等で在庫が多数な為、今回お譲り先を探しております」
販売価格は1本7500円。保険診療(3割負担)での処方価格の約5倍の値段で転売をしていました。
こちらが記者と明かし、転売は違法だという認識があるか聞くと、両方のアカウントから返信は途絶え、1つのアカウントからはブロックされました。
“痩せ薬”として使用⇒副作用が出ても救済適用外の可能性高い
「マンジャロ」について、厚労省は「ダイエット目的で使用した場合の安全性や有効性は確認されていない」「思わぬ副作用による健康被害につながるおそれがある」など、“痩せ薬”としての使用に注意喚起しています。
また、「マンジャロ」“痩せ薬”として使用した場合、副作用が出た場合も救済の適用外になる可能性が高いと言われています。
痩せ薬としての安易な使用や違法な転売がはびこる現状。健康と適切な医療を守るにはどうするべきなのか考える必要があります。
(2026年6月2日「よんチャンTV」内『特命取材班スクープ』より)
