単なる「東大・早慶」では届かない外銀・IBDの壁。開成・筑駒・灘の地頭、帰国子女の面構え…学歴の看板の奥にある「生育環境」の格差

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 単なる「東大・早慶」では届かない外銀・IBDの壁。開成・筑駒・灘の地頭、帰国子女の面構え…学歴の看板の奥にある「生育環境」の格差


 新卒・中途を問わず、トップティアの就活生から根強い人気を誇る外資系投資銀行(IBD)。内定を勝ち取るための決定打となるのは依然として「難関大学卒」という肩書きだ。しかし、多くの就活生が見落としがちなのは、同じ大学名であっても、その裏にある「出身高校や生育環境」が合否を大きく左右しているという事実。学歴活動家・じゅそうけん氏が、外銀・IBDに就職する人間の人生ルートを4つのパターンに分類し、それぞれの出身高校・出身大学の傾向を分析。地頭、面構え、再現性、実務経験といった人気業界が真に求める能力を解剖し、単なる学歴の看板に惑わされない、トップティアへと至るキャリアのリアルを提示する。

 みんかぶプレミアム連載「コスパと予後から考える学歴論」


単なる難関卒では届かない、外銀・IBD内定者の「出身校」の共通点



 外資系企業、外資系投資銀行(IBD)などはその待遇面や事業規模からトップティアの就活生から根強い人気を得ており、その人気は新卒・中途問わないものとなっている。各大学の就職先実績を見ていくと、当たり前だが難関大学から多く就職する者が多い。


 ただ、学歴と一口に言っても、さまざまな背景を背負っての大学進学であり、それを経たからこそ人気企業に就職できているということは、私の記事を読んでいる方なら既にご認識の通りだろう。そこで今回は、外銀・IBDに就職する人のパターンをいくつかに分け、各パターンを辿りながら、出身高校・出身大学の傾向を考察していく。

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「就活ガチ勢」ではないのに受かる。名門進学校から東大・海外大へ進む層の実態



パターン1:経歴ピカピカ枠


 いわゆる “ザ・学歴エリート”のパターンだ。一般にイメージされるのはこのパターンだろう。彼らは、開成・筑駒・灘など名だたる名門中高から東大に入学し、大学在学中はサークル・部活等で自由に過ごしてから入社してくる。とにかく地頭が良いので、求められる能力とのマッチ度合いも高く、入社後も一定のパフォーマンスを発揮することが多い。


 近年増えている海外トップ大出身者もこの分類と考えて良いだろう。ここで重要なのは、彼らが「自由に過ごして」なお通る点だ。外資の入口である選考(ケース面接・数的処理・英語運用・質疑応答)において、地頭と高校までで身につけた頭の使い方が通用する層が一定数いる、ということだ。


 出身高校の傾向は分かりやすい。開成・筑駒・灘といった全国最上位の進学校、あるいはそれに準ずる難難国私立・公立トップ校が中心になる。これらの学校は、英数国の抽象度が高い問題に早期から触れ、競争環境の中で自走するのが当たり前になっている。


 外資系金融機関では結局のところ「短時間で構造化し、数字で語り、結論まで持っていく」作業の連続なので、この学習環境がそのまま相性になる。大学は東大、京大に加え、海外大も当てはまる。


 海外大組のこの層は、単に英語ができるという話ではなく、そもそも入学までの過程において、課外活動やエッセイ、英語での試験などを通じて地頭+@の勝負をしているほか、大学時代も慣れない環境の中で生き抜いている。このパターンは、地頭で乗り切れるパターンもある一方で、他と比べて「就活ガチ勢」ではないため、よっぽど優秀でないと受からない点は注意だ。

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英語力と「面構え」という武器。外国人面接官に臆さないコミュニケーションの源泉



パターン2:帰国子女枠


 2つ目のパターンは帰国子女枠だ。その背景から英語が堪能で、稼ぎのいい両親のもとで生まれたことも相まって顔面偏差値が高く、頭も良い。早慶から入社できるのはこのパターンが多い。


 「顔面偏差値」という言い方はあまり好きな言葉ではないが、必要なのは相手(=外国人面接官を含む)に対して臆さず、堂々とコミュニケーションできる外向きの強さであり、「面構え」である。そこに見た目の良し悪しは関係ないが、一定の相関があることもまた事実だ。英語はそのための道具であり、武器であり、さらに言えば「自信の源泉」でもある。


 出身高校の傾向は二層に分かれる。1つは、海外在住経験を背景に、インターナショナルスクールや海外校→帰国枠というルート。もう1つは、国内の中高一貫でも国際系カリキュラムや帰国生の受け皿が厚い学校で、英語力を維持・伸長させたタイプである。


 大学は上述した通り、早慶等トップ私大中心になりやすい。ここでのポイントは、「早慶だから強い」のではなく、早慶というプラットフォームが、帰国子女の優位性を活かしやすい環境を持つことだ。


 国際系の学部・制度、留学の機会、外資志向のコミュニティ、そしてOBOGネットワークなど手を伸ばせば届くものも多い。また、インターンや本選考においても早慶であれば完全な「足切り」を食らうことはないのも大きい。課題としては英語が強すぎるあまり、数字・ロジック・地道な作業では経歴ピカピカ枠には及ばないケースもしばしば。華やかなプレゼンや英語力の裏にある思考体力を養うことが重要だろう。

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学校のブランドに依存しない採用。早慶・旧帝大から毎年一定数生まれる「非・地頭枠」



パターン3:スポーツ・特殊能力枠


 3つ目のパターンはスポーツや特殊な分野での実績があるタイプだ。このパターンはスポーツ・芸術の分野で卓越した成果を残しつつ、大学の成績も一定優秀なタイプだ。外資の採用は学歴の面で語られがちだが、このパターンはその固定観念を崩す存在でもある。


 スポーツ・芸術が直接仕事に役立つという話ではない。外資が見ているのは、極限環境で結果を出した実績(=再現性のある勝ち方)である。「実績がある人」は、学歴という土俵で勝負しないことも可能ということだろう。


 出身高校の傾向は一様ではない。強豪校のスポーツ推薦でトップ校に入る場合もあれば、地方の公立・私立から全国レベルの実績を作る場合もある。芸術も同様で、伝統校や専門コースにいる場合もあれば、独学に近い形で突出する場合もある。


 高校の銘柄よりも「実績の質」次第というのはパターン1・2と決定的に違う点だ。大学の傾向としては「早慶以上のすべての大学から毎年一定数」というイメージで、旧帝大クラス含め、頭ではトップオブトップではないが、それ以外の実績を加えることで採用対象に入ることができる。このパターンが強い理由は、面接で語れるストーリーが明確だからだ。勝つために何をしたか、なぜ勝てたか、負けたとき何を変えたか。これはそのままPDCAであり、外資が求める「プロフェッショナルの型」である。利益や価値創造に接続できるか。反対に武勇伝に終わってしまっては厳しいだろう。

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ロータリーで酒を飲む早大生には届かない。バックボーンなき凡人の「時間の使い方」



パターン4:ビジネスガチ勢枠


 4つ目のパターンは学生時代の経験をビジネスに振り切っているタイプだ。学生時代はサークル等に所属するというよりは、学生起業をしたり、長期インターンをガチでやっていた層であり、就活中のジョブ・インターンでのパフォーマンスが高い。少数派だが、入社の時点から仕上がっている。


 これは外資の採用における現代的トレンドだ。つまり、学歴で“可能性”を買うのではなく、すでに動ける人間を買う方向に採用が寄っているということだ。出身高校の傾向は、他パターンほど偏らない。もちろん難関校出身者もいるが、高校よりも、大学以降にどれだけ早く「ビジネスの現場」に入ったかで決まる。


 ここが重要で、この型は「大学が弱いから頑張った」というより、「大学名に関係なく早く動いた」が正しい。したがって、出身大学も必ずしも東大・早慶に固定されない。ただし、現実的には、情報が集まりやすい都市部の大学、外資インターンへの導線が多い大学出身者が多いのもまた事実だ。


 選考においても面接の言葉が、これまでの経験の転用として抽象に落とし込んだ上で紐づける、という他の学生にありがちな形ではなく「実務」という具体で語れる点だ。売上、KPI、顧客、改善、チーム。外資の面接官にとって、これは最も安心できる材料である。


 さらにジョブやインターンは、入社後の仕事の縮小版であり、ここでパフォーマンスが高ければ「入社時点から仕上がっている」と評価される。このパターンは少数派とされるが、少数派である理由は単純で、長期インターンも起業も、時間と胆力を要求し、失敗の痛みも大きいからだ。誰でもやれるが、誰もが続けられるわけではない。高校・大学の銘柄よりも、大学時代の時間の使い方がリターンを決める。


 当たり前だが、やはり一般的なだらけた大学生をやっていては難しい。筆者は早稲田大学でそれなりの人数の就活生を見てきたが、類は友を呼ぶというべきか、ロータリーで酒を飲む学生ばかりの中であった。彼らもそれなりに優秀ではあったが、上記に当てはまるような者はいなかった。圧倒的な地頭という名のポテンシャルや、強力なバックボーンがないのであれば、大学での時間の使い方を工夫する以外の道はないだろう。


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