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新しいプレリュードの走りの原点

9月4日に発売開始となった6代目『ホンダ・プレリュード』。そのグランドコンセプトは『UNLIMITED GLIDE(滑るように、果てしなく進む)』で、GLIDE(グライド)はグライダーと同じ語源を持つ言葉である。

【画像】シビック・タイプRと究極の選択?6代目ホンダ・プレリュードがついに発売 全160枚

上昇気流を得て空中を舞うグライダーは、ときに数時間、数100kmも滑空できるほか、アクロバティックな飛行も可能という。つまり、『風』というクリーンなエネルギーを生かして自由自在に空を飛ぶグライダーが、新しいプレリュードの走りの原点というわけだ。


9月4日に発売開始となった6代目『ホンダ・プレリュード』。    本田技研工業

ここから推測されるのは、同じホンダでも『シビック・タイプR』のようなアグレッシブなスポーツ性能を追求したクルマではないということ。もちろん、2ドアクーペならではの軽快な走行性能は備えつつも、より快適性重視の洗練された走りを目指したことがうかがわれる。

そうした視点で新型プレリュードのエクステリアデザインを眺めると、クリーンで無駄がなく、流麗な曲線でまとめ上げられたスタイリングがグライダーと通じているように思えるから不思議だ。

2ドアクーペながらロングノーズショートデッキではなく、どちらかといえばキャブフォワードとされたプロポーションも、コクピットを機体の前端に据えたグライダーを想起させるといえないこともない。

シビック・タイプRと共通のテクノロジーを投入

ボディのディメンジョンで注目されるのは、ホイールベースがシビックに比べて135mmも短い点にある。5ドアハッチバックとしての居住性が求められるシビックより、2ドアクーペとしての軽快さが求められるプレリュードのホイールベースが短いのは当然かもしれない。

しかし、プレリュードは大胆なファストバックスタイルでありながら180cm級の長躯が後席に腰掛けられるというから、そのパッケージングはなかなか巧みだ。


2.0リッター直噴ガソリンエンジンにホンダ独自の2モーター式スポーツハイブリッドを組み合わせる。
    神村聖

サスペンションまわりには、シビック・タイプRと共通の贅沢なテクノロジーがふんだんに投入されている。フロントサスペンションはタイプRと同じデュアルアクシスストラット式を採用。直進性に有利なハイキャスターとしつつも、大舵角時にも安定した接地性を生み出すジオメトリーを実現したという。

また、減衰力を電子制御できるZF製ダンパーをタイプRに続いて搭載。その制御に、サスペンションの実ストロークを検知するストロークセンサー、そして前後、左右、上下にヨーレートもくわえた4次元の加速度を検出するセンサーを活用するというハイスペックな制御システムも基本的にタイプRと共通とされた。

ただし、そのセッティングはエクストリームな性能を追求したタイプRとは異なり、思いどおりに操れるハンドリングと快適性を両立させた点がプレリュードの特徴とされる。

いっぽうのパワートレインはシビックe:HEVと基本的に同じで、2.0リッター直噴ガソリンエンジンにホンダ独自の2モーター式スポーツハイブリッドを組み合わせたシステムを搭載する。

エンジンの最高出力が141ps、モーターの出力が184psとされている点もシビックe:HEVとまったく同じ。WLTCモード燃費もシビックe:HEVの24.2km/Lに迫る23.6km/Lを達成している。

革新的な新技術、『ホンダS+シフト』

高出力モーターでパワフルかつ滑らかな走りを実現しながら、高速巡航時にはエンジンと駆動輪をメカニカルにつなげて高効率を目指したコンセプトはシビックe:HEVなどから受け継いだものだが、新型プレリュードにはハイブリッド制御に革新的な新技術が投入されている。それが『ホンダS+シフト』だ。

ホンダは、加速感とエンジン回転数が連動しないことに起因するハイブリッドシステムの『ラバーバンドフィール』を解消するため、加速時にステップ変速を擬似的に行う制御方法をすでに確立。


ハイブリッド制御に『ホンダS+シフト』と呼ばれる革新的な新技術が投入された。    神村聖

これと、幅広い運転領域で高い熱効率を実現した2.0L直噴ガソリンエンジンを組み合わせることで、燃費を犠牲にすることなく一体感溢れるフィーリングを生み出してきた。

S+シフトは、この『一体感』を減速領域にも拡大。コーナーへの進入でブレーキングするとDレンジでも自動的に擬似的にシフトダウンを行うことで強い一体感を生み出すとともに、減速時にもエンジン回転数をパワーバンド内に保つことにより、コーナー脱出時の加速性能を高めることが可能になったという。

新型プレリュードはモノグレードで、価格は617万9800円。これはシビック・タイプRの20万円高に相当するが、プレリュードのデビューにあわせてタイプRも20万円値上げし、2台の価格を揃えるという。果たして、アナタの心により響くのは新型プレリュードか、それともタイプRだろうか?