九州の建売住宅、ここが盲点!? 「雨漏り・結露・白アリ」3つのリスクと防ぐ方法とは【一級建築士が解説】

近年、九州エリアでも建売住宅の需要が高まり、新築戸建てを検討する方が増えています。
しかし、施工精度のバラつきや構造リスクに注意が必要です。
今回は、株式会社さくら事務所の事業パートナーであり、九州エリアを中心に活動する一級建築士・ホームインスペクターの河本さんに、九州エリアの新築住宅の実情と見落とされがちな3大リスクについて伺いました。

【1】九州の住宅事情：「建売」増加の背景とその影響
河本さんによれば、福岡市内など都市部では土地不足が進行し、結果として敷地面積の狭小化・3階建て化が進行中。
その中で建売住宅が急増し、注文住宅よりも設計自由度が少ない中で「住みにくさ」を感じる人も増えているそうです。

【2】施工品質は全体的に向上…しかし「油断禁物」
建築基準法の改正や施工会社の努力によって、全体として施工の質は向上傾向にあると河本さんは話します。
ただし、木造住宅が主流の南部エリアでは、もともとRC造に慣れていた施工業者が木造への対応に苦戦しており、防水や断熱の施工ミスが起こりやすい現実も。

【3】深刻な3大リスク：雨漏り・結露・シロアリ
■ 雨漏り
木造住宅の外壁防水は“二重構造”が基本ですが、防水シートの施工不良が目立つと河本さんは指摘。
これにより、完成直後から雨漏りが発生する事例もあるとのこと。
■ 結露
「断熱材が適切に配置されていない」「外壁内の通気層が機能していない」などが原因で、壁の中に見えない結露が発生。
これが木材腐朽やシロアリ被害の引き金になることも。
■ シロアリ
九州は特に「イエシロアリ」の被害が深刻で、2階床レベルまで上がって被害を及ぼす例も。
被害が目に見えにくく、発覚時には構造材がすでにボロボロ…というケースもあるそうです。

【4】住む前に“見えない劣化”を見抜くには？
河本さんは「まずは建物の性能をマイナスにしないことが重要」と強調します。
つまり、建物性能を“加点”する前に、雨漏りや結露といった“減点要素”をゼロに戻す努力が必要という考え方です。
そのために有効なのが、**第三者によるホームインスペクション（住宅診断）**です。

【まとめ】
• 九州では都市部を中心に建売住宅が急増中
• 建物の品質は上がっているが、木造への慣れ不足から施工ミスも発生
• 雨漏り、壁内結露、白アリの“3大リスク”は見えない場所で進行する
• 九州特有の強力な「イエシロアリ」への対策も必須
• まずは“マイナスをゼロに戻す”意識が大切

株式会社さくら事務所では、九州エリアを含む全国でホームインスペクションを実施しており、見えないリスクの早期発見と対処をサポートしています。
家は“買って終わり”ではなく、“住んでからが本番”。後悔しないためにも、事前の確認と診断を取り入れてみてはいかがでしょうか？