脳科学者・茂木健一郎、自分の話をすぐ持ち出す人への警鐘「もったいない」

動画「みんなで話しているときに、すぐに『自分の話』に持っていっちゃう人はもったいないよ」で、茂木健一郎氏が登場し、人が会話中に自身の話をすぐに持ち出してしまうことの問題点について語った。茂木氏は、「どんな個性もそのまま受け止める」としながらも、もったいないと感じる場合があると述べ、その典型として「会話をすぐに自分の話に持っていく人」を挙げた。

茂木氏は、こうした行動には不安感や自己確認欲が背景にあるとの見解を示した。「みんなでお茶をしている時や会話中に、自分の経験を無理に関連付けようとすることは、時として相手の話の腰を折る」と指摘する。そして、これにより周囲からの印象が悪くなる可能性についても言及。心の中で「またか」とうんざりされ、本人のイメージダウンにつながると説明した。

また、このような行動の根底には、「安全基地」の理論が関わっていると茂木氏は語った。幼少期に安定した環境が提供されなかった場合、「自己愛的な性格」を持つ傾向があるとも解説した。「常に自分が確認されないと不安になり、人に認めてもらいたいという強い欲求を持ってしまう」との分析を示した。

動画の締めくくりとして茂木氏は、「メタ認知の重要性を理解し、自分の話に持って行きがちな癖を修正できれば、さらなる成長が期待できる」と語った。また、他者の話を聞く探索行動の大切さを強調し、「より素敵な人になるために、新しいことに向き合っていくことが大事」だとアドバイスした。