エンゼルスのロン・ワシントン監督【写真:ロイター】

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大谷は昨季約10勝分の貢献度を記録

 米大リーグ・ドジャース大谷翔平投手は今季、54本塁打、130打点でリーグ2冠を獲得。移籍1年目からナ・リーグ西地区優勝に大きく貢献した。メジャー7年目にして自身初のプレーオフ進出。一方、昨季までの古巣・エンゼルスは球団ワーストを更新する99敗で地区最下位に沈んだ。昨季と比べて勝利数は10減少。大谷が離脱して空いた穴を埋めることができなかった。

 2018年に大谷が入団してから6年間負け越しを続けていたエンゼルス。昨季23年は14年以来のプレーオフ進出を狙って補強を敢行したが、後半に失速。73勝89敗、勝率.451で地区4位に終わった。大谷が抜けた今季は若手が奮闘するも、トラウトやレンドンらが長期離脱。球団ワーストを更新する99敗、勝率.389で地区4位に6ゲーム差をつけられる最下位に沈んだ。63勝は昨季と比べちょうど10勝少ない。

 大谷は昨季、米データサイト「ベースボール・リファレンス」が算出するセイバーメトリクスの指標「WAR」で、メジャートップの9.9を記録。これは控えレベルの選手の出場時と比較してどれだけチームの勝利を増やしたかを表す指標で、大谷は数字上、約10勝分をチームにもたらしたことになる。他にもチーム状況に変化はあるものの、二刀流スターの離脱分がそのまま勝敗数に反映された形だ。

 今季エンゼルスで最も多くDHで出場したのはウィリー・カルフーン外野手の61試合。同サイト算出のWARは−0.2だった。チーム全体でもDHのWARは−0.4。大谷が昨季DHで記録した6.0から大きく下回った。大谷は昨季投手としてもWAR3.9をマーク。今季のエンゼルス先発陣ではタイラー・アンダーソン投手が3.1、ホセ・ソリアーノ投手が2.1という数字を残したが、他は全員が1.0を下回った。

 もちろん大谷以外にもロスターに変化はあり、あくまで単純計算に過ぎない。しかし、10勝分の貢献度をもたらしていたMVPが離脱した穴はエンゼルスにとってあまりに大きかったと言えるだろう。10年連続でプレーオフから遠ざかっているのは現在MLBで最長。悲しい現実から巻き返すことはできるだろうか。

(THE ANSWER編集部)