by Comune Di Bacoli

イタリアのナポリ近郊にある海沿いの都市・バーコリで行われた発掘調査で、約2000年前の古代ローマ時代に作られた海を臨む別荘が発見されました。この別荘は、百科全書の「博物誌」を著したことで知られるガイウス・プリニウス・セクンドゥス(大プリニウス)が、自らの死の原因となったヴェスヴィオ火山の噴火を目撃した別荘の可能性があるとのことです。

Naples: 2,000 year-old Roman beach house discovered during building work | CNN

https://edition.cnn.com/2024/01/19/style/naples-roman-beach-house-pliny/index.html



1st-century villa discovered near Mount Vesuvius may be where Pliny the Elder watched catastrophic eruption | Live Science

https://www.livescience.com/archaeology/romans/1st-century-villa-discovered-near-mount-vesuvius-may-be-where-pliny-the-elder-watched-catastrophic-eruption

今回発見された古代ローマ時代の別荘は1世紀頃に建てられたとみられており、発掘調査では床やタイル張りの壁のほか、広い10室分の分厚い石壁、眺望のいい屋外テラスなどが見つかりました。石壁は石灰岩の一種であるトゥファで作られ、精巧な網目模様で装飾されていたとのこと。

別荘はナポリ湾をほぼ360度見渡せる岬の端に位置し、イスキア島とプローチダ島が見渡せるほか、ナポリ湾を挟んで約30km離れたヴェスヴィオ火山まで眺められました。記事作成時点では火山活動による地盤沈下の影響で一部が水没しており、別荘の小さな石造りの船着き場は水深約4mまで延びていると報告されています。

この別荘がある場所は、かつて古代ローマ海軍にとって最も大きな軍港だったミセヌムの港内です。イタリア文化省の考古学者であるシモーナ・フォルモラ氏はCNNのインタビューに対し、「この荘厳な別荘からは、軍事戦略上ナポリ湾が360度見渡せたと思われます。さらに深い層の発掘によって、より多くの部屋やフレスコ画が発見される可能性があると考えています」と述べました。



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別荘の住人が誰だったのか確実なことはわかっていませんが、「博物誌」を著した大プリニウスの別荘に関する記述と一致することから、大プリニウスが暮らしていた別荘だった可能性があると指摘されています。

大プリニウスはローマ帝国の属州総督を歴任した軍人で、ミセヌムでローマ西部艦隊の司令長官を務めていた79年には、ポンペイの町を壊滅させたヴェスヴィオ火山の噴火を目撃していたと伝えられています。この噴火から人々を救うため、大プリニウスはナポリ湾を渡ってポンペイ付近のスタビアエという都市に上陸しましたが、煙または火山ガスによって現地で亡くなりました。

大プリニウスはこの別荘からヴェスヴィオ火山の噴火を目撃し、自らの死を招いた航海に出た可能性があるとのこと。別荘は見張り台として機能していただけでなく、中庭で古代ローマの高官らをもてなすパーティーも開かれていたと考えられています。



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考古学者らは今回の発見に驚いていますが、地元では昔から「地下に宝物が埋まっている」と言い伝えられてきたとのこと。実際、発見された別荘に隣接する海岸には大きなレンガ造りの廃虚があり、かつて大きな住居があった証拠だといわれていたそうです。

今回の発掘調査は子ども向けのレクリエーション施設の建設に伴って行われましたが、新たに発見された別荘がある地点は野外博物館となり、今後数週間のうちにオープンする予定です。バーコリのジョシ・ヘラルド・デッラ・ラジョーネ氏は、「ローマ時代の別荘の遺跡は清掃され、木製の柵で封鎖されます。別荘はこの美しい空間の中核になります……市民や観光客は称賛するでしょう」とコメントしました。



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