社会の荒波の中で生きていると、時に理不尽とも思える出来事に遭遇するもの。心の中では納得をしていなくても、謝罪を要求されしぶしぶ頭を下げる……なんてことは、きっと誰でも経験したことがあるでしょう。

　そんな怒りの感情を抑えることなく、相手にしっかりお詫びも出来てしまう画期的なアイテムが、X（Twitter）で話題です。その名も「ごめんなさいメリケンサック」……！

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　投稿に添えられた動画には、これを実際に使用する様子が。メリケンサックを着け、思いっきり壁に打ち付けた拳をゆっくり下ろすと……そこに現れたのは「この度は大変申し訳ございませんでした」の文字。その勢いに思わずクスっとしてしまいます。

　このユニークな武器の作者は、「けったいでキュートなものをつくる」クリエイターの「南村杞憂」さん。以前、「エビデンスで殴る」という表現から着想を得た「エビデンサック」という作品を作ったことがあり、「またメリケンサックの形のものを作りたいな〜」と普段から構想を練っていたのだそう。

　そんな時、機材を使わせてもらっている工房で、工房の方が自作したと思しきスタンプを見かけたのが、今回の形状を着想したきっかけ。これを見て「メリケンサックとスタンプを掛け合わせよう」と閃き、この「ごめんなさいメリケンサック」が生まれました。

　アクリル素材のメリケンサックに、ゴム製のスタンプを貼り付けるという作り自体は決して複雑ではありませんが、ボールチェーン付きで携帯性に優れていたり、スタンプのフォントも真面目に見えるよう明朝体を選んだりと、随所にセンスが光ります。

　中でも特にこだわったと語るのは、メリケンサックの握りやすさ。以前制作した「エビデンサック」よりもこの点を重視し、より指にフィットしやすくなっているとのこと。ひとたび握れば、拳に力がみなぎってきそう。

　作品には5万件を超える「いいね」が寄せられるなど、大きな反響が。返信欄には「会社の上司に顔面目掛けて行使したいです」「全社会人必須アイテム」といった、共感の声が相次いでいます。

　これに対し、南村さんは「皆さんそれぞれ日頃理不尽なことがいっぱいあるんだろうなあ……」と、率直な気持ちをコメント。

　「今世の中、特にネット上にありふれて在る感覚を、アーカイブして作品として残そうというのが、基本的な私の制作コンセプト」と語るように、まさに世相を反映させた作品と言えるでしょう。

　今作「ごめんなさいメリケンサック」は、南村さんの通販サイト「杞憂代理店」にて、現在予約受付中。価格は4400円（税込）で、11月8日より順次発送予定とのことです。

＜記事化協力＞
南村杞憂さん（@kiyunamura）

（山口弘剛）