ヤンキース戦で決勝29号を放ったエンゼルスの大谷翔平【写真:ロイター】

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9戦6発の量産した大谷の名珍場面を振り返る

 米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平投手は8月28日(日本時間29日)から出場9試合で6本塁打と量産した。9月8日(同9日)は試合がないが、この期間の名珍場面を「9戦6発の衝撃」として振り返る。MVP争いを繰り広げるヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手との直接対決では、29号を放った動画とともに「ジャッジの歴史的な夜を台無しにした」と話題になった。

〇8月29日(同30日) 50号ジャッジも大谷の決勝29号でNYメディア落胆

「3番・DH」で先発した本拠地ヤンキース戦。大谷が2-2の5回に決勝29号2ランを放った。低めのスプリットに体勢を崩されながらすくい上げた一発。泳がされるような格好になったが、それでも打球は右翼スタンドに着弾した。泳がされても本人は“確信”していた様子も話題に。チームを4-3の勝利に導く活躍だった。

 この日はジャッジが大台到達の50号ソロを放ったが、敵地地元紙「ニューヨークポスト」は「ジャッジの歴史的な夜がオオタニに台無しにされる」との見出しで記事を公開した。「ジャッジはヤンキース史上3人目のシーズン50本を複数回記録した打者となり、歴史を作った」とした上で「しかし、ジャッジのア・リーグMVPに対する一番のチャレンジャー、そう、ショウヘイ・オオタニがこの夜は爆発した」と大谷の活躍を伝えていた。

〇8月28日(同29日)、元WBC監督も驚愕したケタ外れのパワー

 大谷は敵地ブルージェイズ戦に「3番・DH」で先発。7回に10試合ぶりの28号2ランを放った。3点リードの7回2死二塁。左腕メイザのシンカーを逆らわずにレフト方向へ。高く上がった打球はフェンスを悠々と越える28号2ランとなった。4打数3安打2打点で8-3の勝利に貢献し、敵地で3連勝を飾った。

 試合を中継した地元中継局「スポーツネット・カナダ」の実況席から驚きの声が上がった。過去2年間ブルージェイズの監督を務め、2006年のWBC米国代表監督だったバック・マルティネス氏は「とんでもないパワーを持っている。左翼に運ぶマッスルがある。私に言わせれば彼は最も物騒な筋肉の持ち主。あの右腕は球を投げるし、打球を打ち上げることもできる」と称賛。ケタ外れのパワーにコメントしていた。

〇8月31日(同1日) 遂に濡れた、ベンチで受けた同僚の祝福

 本拠地ヤンキース戦でエース右腕ゲリット・コール投手から逆転3ランを放った大谷。ベンチに戻ると、同僚たちから祝福を受けた。ハイタッチを交わし、最後にジョー・アデルにコップの水をかけられた。29号ではコップの水が入っておらず“フェイク”になったシーン。今回は本当にぶっかけられ、チームを3-2の勝利に導いた。

 水をかけられた大谷は、驚いた後に下を向いて立ち止まった。MLB公式サイトの動画コーナー「Cut4」公式ツイッターが文面に「ショウヘイは私たちを爆笑させる」と記して動画を公開。米ファンからは「少年だ」「大きくなった子ども」と反響が集まっていた。この一撃で2年連続の30本塁打に到達。ベーブ・ルースも成し遂げられなかった史上初の「年間30本塁打&10勝」を達成した。

(THE ANSWER編集部)