15歳で子どもを出産した横井桃花さん(20)。当時中学を卒業したばかりの彼女は、その後も未婚のまま一人で育てていくことを決めたが、相手から養育費をもらうことができず金銭的にも苦しかったという。

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 そんな彼女の子どもは、今年5歳になった。妊娠がわかってから出産するまでの経緯や、相手との関係、現在の生活について詳しく話を聞いた。(全3回の1回目/続きを読む)


横井桃花さんと息子の幸希くん

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中3の冬に「妊娠したかも。どうするの?」って

――桃花さんの妊娠がわかったのはいつくらいでしょうか。

横井 中3の11月くらいだったと思います。生理が止まって、つわりのような症状があったので、自分の中に「妊娠したかも」という気持ちがありました。

 妊娠について調べていくうちに、自分の症状にほとんど当てはまっていたので、確実に妊娠したと思いました。つわりもしんどくて、何をすればいいのかもわからず、辛い毎日を送っていました。でも、お腹が動いてくると、どんどん愛情が出てきていましたね。

――お母さんや相手に相談などはされたのでしょうか。

横井 母には言えなかったです。心配をかけたくなかったので。

 相手にはすぐに「妊娠したかも。どうするの?」って相談していました。彼は、「産んで育てよう」って言っていましたが、同い年だったので、現実的に考えられていなかったと思います。

 私はネットでいろいろ調べて、「病院に行ったらいくらかかる」「中絶するにはいくらかかる」「出産するにはいくらかかる」「育てるにはいくらかかる」ってノートに書いてまとめていました。

 それを彼に見せたら、「大丈夫っしょ。育てればよくね」って。真剣に考えてくれずに一人で抱えている状況が本当に苦しくて、「産むんだったらあなたから私の親と自分の親に伝えてください」って言いました。お互い中学生でお金もなかったし、自分たちでどうにかすることは不可能だったので。

双方の親に発覚したときには中絶はもうできなかった

――中絶手術ができる期間は妊娠22週未満と、タイムリミットもありますよね。

横井 そうです。だから彼には早くお互いの両親に伝えてと言っていました。でもずるずると時間が過ぎてしまって、結局伝えたのは、中学を卒業した後くらいだったと思います。

――そのタイミングで伝えたのはなぜでしょうか。

横井 もういよいよ伝えないとダメだと思って。自分で心拍や胎動を確認していましたが、病院にかからなければいけないし、きちんと話し合わなければいけないと思いました。

 その日はちょうど、私の家族と彼の家族で集まる日だったんです。彼とお付き合いを始めてから家族ぐるみで仲良くしていたので、その日もみんなで食事をしようって話していて。

 彼には、「今日しかないよ。絶対伝えてね」って言っていました。でも彼だけがまだ来ていない時に、お互いの母親が、「もしかして妊娠していないよね?」って。「実は……」って話したらみんな顔色が変わって、翌日すぐに病院に行きました。母はすごく驚いていましたね。まさか本当に妊娠していたとはって。

 私の中では、その時点でぎりぎり妊娠5ヶ月未満くらいだろうと思っていました。お腹もそんなに大きくなっていなかったし、今妊娠何ヶ月かっていう数え方がわからなくて。でも先生から「妊娠8ヶ月です。今すぐ出産の準備をしましょう」と言われて。中絶するという選択肢はなくなったので、出産に向けてどうしていくか考え始めました。

――お腹やつわりの症状からお母さんが妊娠に気づくことはなかったのでしょうか。

横井 うちはシングルマザーで、母は基本的には仕事に行っていたこともあり、つわりはわからなかったと思います。お腹もあんまり出なくて、妊娠しているようには見えなくて。一緒にお風呂に入ることもあったんですが、もともと幼児体型でお腹が出ていたので、気づいていませんでした。そもそも母もまさか妊娠しているなんて思っていなかったので。

――横井さんは中学を卒業後、高校に進学していたのでしょうか。

横井 いえ、中学を卒業してからは就職しようと決めていたので、高校には進学しませんでした。シングルマザーで家も裕福ではないので、母に迷惑を掛けたくないし、それに自分の中で中絶するとしても、産んで育てるとしても、学校に行きながらっていうのは甘いと思っていて。責任を取るためにも、進学はせずに働こうと思っていました。

 母には、「高校はお金がかかるし、お母さんを助けてあげたいから高校を諦めて働くからね」と伝えました。私の中学では就職支援を積極的にしていなかったので、就職先が決まらないまま卒業をしました。

彼からは「里子に出しなさい」と言われました

――それから出産までの経緯を教えてください。

横井 彼の家族と1ヶ月間話し合いをしました。子育てはどうするのか、養育費はどうするのか、認知はするのかなど、子どもが生まれてからのことを話していましたが、途中2週間くらい彼と連絡が取れなくなりました。

「名前はどうする?」「生活はどうする?」ってメッセージでやりとりしていたんですが、急に途切れてしまって。

 お腹はどんどん大きくなっていくので、とても不安でした。私は育てる覚悟ができていましたが、彼はまだ現実のこととして考えていなくて、本当にこのままでいいんだろうかって。

 彼の母親に「息子さんと連絡が取れません」とメッセージを送ると、「今息子と話し合っているから少し待って」と。それから数週間後に、両家族の間で話し合いの場が設けられて、彼から「里子に出してください」と伝えられました。

写真=杉山秀樹/文藝春秋

〈15歳で出産〉中卒のシングルマザー(20)が語る、子どもの父親との関係「LINEで『じゃあ逃げます』と連絡が来て…」 へ続く

(「文春オンライン」編集部)