中国メディアは、日本人が三国志に興味を持つ理由を分析する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国には5000年以上の歴史があり、自国の長い歴史を誇りとする中国人は少なくない。中国の悠久の歴史のなかで日本人に人気の時代といえば、後漢末期から三国時代ではないだろうか。この時代を描いた小説「三国志」は、たとえ読んだことがなくても、名前だけは誰もが知っていると言っても過言ではないほど有名だ。

 日本人の「三国志」好きは中国のネット上でもたびたび話題となっているようだが、中国の歴史に興味を抱いている日本人が多いことを多くの中国人は嬉しく感じるという。中国メディアの百家号はこのほど、日本人が三国志に興味を持つ理由を分析する記事を掲載した。

 記事はまず、中国には非常に長い歴史があり、三国時代のような「群雄割拠の時代」は春秋戦国時代のようにほかにも例があると指摘。そして、三国志という言葉はもともと史実に近い歴史書である「正史三国志」を指す言葉であるが、同時に創作とされている小説「三国志演義」もあるため、この2つが混同されていることを強調した。

 さらに、日本人にとって特に馴染み深いのは三国志演義の方であり、吉川英治による作品「三国志」でると紹介、小説であるがゆえにストーリーが面白く、入り込みやすかったのであろうが、中国人にとっての三国志と日本人にとっての三国志は必ずしも一致せず、むしろ差異は大きい可能性があると論じた。

 一方、日本で三国志の人気が根強いことについて、「現代でも織田信長や豊臣秀吉、徳川家康が好まれるように、日本人は群雄割拠の時代の英雄を好む傾向がある」と伝え、これは国や時代を超えても同じなのではないかと考察。その他にも、三国志に登場する武将や君主の考え方が、現代社会に通じるものがあることや、多彩で魅力的な人物が多く登場することも、日本人に三国志が人気である理由なのだと論じた。

 記事は、日本では三国志を題材にしたアニメやゲーム、漫画などが多数存在していることを紹介し、中国の歴史に日本人が興味を持つことは好ましいことであるものの、三国志に関係した作品が日本に多数存在しているのであれば「著作権を徴収できれば中国はもっと豊かになれたかもしれない」と強調した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)