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●加藤茉莉香役を演じて2012年1月より放送されたTVアニメ『モーレツ宇宙海賊(パイレーツ)』がおよそ2年の月日を経て映画化。2014年2月22日、『モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-』として劇場公開される。

宇宙ヨット部の部活や喫茶店ランプ館でのアルバイトに勤しむごく普通の女子高生・加藤茉莉香が宇宙海賊船「弁天丸」の船長として活躍する姿を描く本作だが、注目の劇場公開を前に、CS放送局・キッズステーションでは、2014年2月1日(土)の深夜1時30分〜6時00分に第1話から第9話、2月8日(土)の深夜1時30分〜6時00分に第10話から第18話の集中放送を行う。

そこで今回は、『モーレツ宇宙海賊』の主人公・加藤茉莉香役を演じる小松未可子が語った作品の魅力について紹介しよう。

○小松未可子が語る『モーレツ宇宙海賊』の魅力

――『モーレツ宇宙海賊』もテレビのオンエアが終わってからおよそ1年半が経ちました

小松未可子「オンエアが終わってからは1年半ですが、収録自体はオンエア前に終わっていたので、アフレコからだと2年以上になります。2年と考えると、何かすごく懐かしいです」

――それではあらためて2年前を振り返っていただきましょう。加藤茉莉香役が決まったときのことは覚えていますか?

小松「よく覚えています。事務所ってあまり行かないんですけど、たまたま事務所にいたときに受かりましたって連絡が来たんですよ。事務所は静かにする場所というイメージがあったんですけど、そのとき初めて大騒ぎをしました(笑)。ちょうど小見川(千明)ちゃん(※)と一緒にいたので2人して大騒ぎ。本当にうれしかったです」

※小見川千明は遠藤マミ役で出演

――オーディションはいかがでしたか?

小松「オーディションは茉莉香役だけではなく、チアキ役でも受けていたのですが、茉莉香のほうが、『こんなふうにしてみて』など、いろいろな演出指示が多く、自分でもけっこうノリノリで、初めて緊張せずにオーディションを受けることができたんです。私は緊張するタイプなので、それまで、どのオーディションもガチガチだったんですよ。あと、受けたときの声を忘れないように、初めて事前に家でボイスを録って練習してから臨んだオーディションだったんです。そういう意味でも思い出深いオーディションです」

――チアキ役も受けていたということですが、小松さん自身はどちらの役を特に希望していたのですか?

小松「茉莉香です。頂いた資料が原作の文章とあきまんさんのイラストだけだったので、なかなか役が掴みにくかったんですが、茉莉香は自分の素でいける気がしました。

――最初に茉莉香のイラストをみたときの印象は?

小松「年齢相応で、本当にほがらかそうな女の子だなって思いました。あまり自分の中で深く、役を作らずにストレートに演じようと決められたのは、そのイラストの存在が大きかったと思います」

――事前に役作りはしなかったのですか?

小松「役作りは考えず、ストレートにやろうと思っていました」

――実際に収録現場で声をあててみたときの印象はいかがでしたか?

小松「自分では頑張って精一杯やっているつもりでも、皆さんが思っている茉莉香像には全然届いてなくて……。収録のときによく言われたのは、『セリフの後ろに音符がつくような感じで。もうはねちゃってください。』とアドバイスをいただいたのですが、自分の中でそこまでテンションを持ち上げるのが大変でした」

――自分で思っていたよりもテンションが高かった?

小松「そんなに高くてもいいのかなって思うぐらい高かったです。でも、実際にオンエアを観たら、もっと高くてもよかったなって(笑)」

●収録現場の様子は?――『HEROMAN』のジョーイ役でデビューしたばかりの頃ですよね

小松「ジョーイ役が終わって、ちょうど『遊☆戯☆王ZEXAL』の小鳥ちゃんと同時進行という感じでしたね。ジョーイは男の子だったので、女の子役というのも初めてでしたし、しかも小鳥ちゃんとも演じ分けないといけない。そのあたり、どのようにアプローチしていけばいいかでけっこう悩みました」

――男の子役をずっとやった後の女の子役ということで、戸惑いもあったのでは?

小松「ジョーイのときも特に声を作らずに演じていたので、だとすると声を作らない女の子役となるとどういう感じになるんだろうって……声を作らないと言いつつもやっぱり作っているわけじゃないですか。ナチュラルなんだけどナチュラルじゃない。そのあたりの葛藤がすごくありました。先ほども話しましたが、現場では『テンションを高めに』ってよく言われたんですよ。それは、『自然に』とか『作らない』ということを意識しすぎて、トーンが下がり気味になっていたこともあるのではないかなと思います」

――そのあたりは収録を重ねるうちに変わってきたところでしょうか?

小松「最初の頃は本当に念入りに、すごく自分の中で準備した状態で収録に臨んでいたんですよ。そうすることで自分の中ではすごく安心できていたのですが、現場で求められるものと自分が用意したものが違っていたときに、その差を埋めることができずに苦労したことが何度かあったので、素直に指示に従えるよう、自分の中ではあまり芝居を作りこまないようしていったら、少しずつスムーズに収録が進むようになりました。あまり考えず、ありのままで演じたほうが茉莉香にも合っていたんだと思います。茉莉香自身、考えているようで考えていない、傍から見るとよくわからないキャラクターだったので、これでいいのかなって(笑)。それが分かってからは、よりナチュラルに演技ができるようになったのではないかなと思っています」

――しっかりしているのかいないのか、頭が良いのか悪いのかわからないキャラですからね

小松「そうなんですよね(笑)。賢いようにみえて、言葉を間違って覚えていたり……天然なのかもしれませんが、そこが面白いキャラクターだと思います」

――非常に出演キャストの多い作品ですが、収録現場の様子はいかがでしたか?

小松「同年代が多かったので、とても和気藹々として楽しかったです。逆に弁天丸のシーンだと先輩方に囲まれて、気が引き締まりつつも、(藤原)啓治さんや松岡(禎丞)君、そして松風(雅也)さんがいい意味で空気を壊してくれて(笑)」

――特に松風さんがキーマンだったようですが

小松「松風さんはすごかったです(笑)。啓治さんとのキャッチボールで大変なことになっていました。全体的には、松風さんがみんなを一体にしてくれて、啓治さんが笑わせてくれる。すごくいいチームだったと思います」

――収録時のエピソードなどがあれば教えてください

小松「茉莉香がミーサに呼ばれてブリッジに向かうシーンで、海賊船の中が狭くて、『はい、はい、はい』って言いながら、いろいろなものを避けながら急ぐというのが2回ぐらい繰り返されるところがあるんですけど、絵がまだちゃんとできていない状態だったので、どんな感じなのかがよくわからなかったんですよ。そうしたら松風さんが『ベテランの方だったら、物にあたって帽子が取れちゃったときのリアクションにも"はい"って言うんだよ』って。そこは想像力だからって(笑)」

――細かいところはどうなっているかわからないですからね

小松「そういうアドバイスをいただいたのが非常に印象的でした。演じてしまえば、あとで絵のほうが合わせてくれるし、無理ならNGが出るから、とりあえず演じられるだけ全部演じてしまおうと、先輩ならではの芝居に対するアソビ心を教えていただきました」

――経験豊富だからこそのアソビ心ですね

小松「あと、序盤のほうに夢オチのシーンがあるんですけど、夢のシーンなのでふざけた感じでやってくださいって指示が出たんですよ。茉莉香はちょっと大人っぽい感じだったので、私は精一杯に大人っぽく演じていたんですが、啓治さんとかは本当にふざけていて(笑)。本当にいろいろと勉強になったアフレコでした」

――教わったことがふざけ方ばかりのような……

小松「でもそれが意外とできないんですよ。崩すのって本当に難しくて。そのあたりの加減が全然わからなかったので、先輩方の崩し方はとても新鮮でした。音響監督の(明田川)仁さんもそういうアソビが好きな方なので、『ここはちょっとドップラー効果で』とか。ドップラー効果って何ですか? と思っていたら、戸松さんがやってくれて、『おお、すごい!』みたいな(笑)。もう本当に素人みたいな感想しか出てこないんですけど、実際にオンエアをみたら、計算されたかのようにピッタリはまっている。みんなすごいなって、テレビを観ながら感動することが多かったです」

●劇場版の注目ポイントは?――『モーレツ宇宙海賊』では小松さんの歌もエンディングなどで使われていました

小松「レコーディングをしたのが、アフレコが始まったころだったので、私の歌がどのように使われるのか、まったく想像がつかなかったんですよ。だから、オンエアを観て、初めて知ったんですけど、そういう意味では視聴者の方と同じ目線で楽しめました」

――そして今年の2月22日には劇場版が公開されますが、久しぶりの現場はいかがでしたか?

小松「最初はすごく怖かったです。茉莉香は自分の素で演じていたとはいえ、それはあくまでも当時の話で、現在の素で演じてもちゃんと茉莉香になるのかなって。テレビ版最終話後の春休みという設定で、ちゃんと茉莉香に戻れるのかがすごく不安で、とりあえずテレビ版全話を一気に観て、当時の芝居を思い出しながら収録に挑みました。すごく過密なスケジュールだったので、後半はみんなでラジオ体操なんかしたりして(笑)。そういうところでも当時の空気感が感じられて、とても楽しかったです」

――劇場版で注目してほしいポイントを教えてください

小松「劇場版では無限彼方(むげんかなた)君という子が登場するんですけど、この子を中心に話が動いていきます。これまでのテレビ版では、茉莉香の成長過程が描かれていたわけですが、今度は成長した茉莉香がどのように無限彼方君と接して、そして彼を引っ張っていくのか……茉莉香のポジションがどのようにテレビ版と変わっているのかが見どころになると思います」

――その劇場版の公開に先立ち、キッズステーションではテレビ版の集中放送が行われます

小松「一挙に放送されるとすごく見ごたえがあると思います。まずじっくりと観ていただきたいのは1話から5話までの、茉莉香が海賊になるまでの過程ですね。そこをまずしっかりと押さえれば、あとは海賊になって大暴れする茉莉香の姿を楽しんでいただけると思います。すごく緩急がつけられた作品だと思うので、一気に観ても疲れないと思いますし、たぶんあっという間に終わってしまうんじゃないかと思います」

――それでは最後に読者の方へのメッセージをお願いします

小松「2月22日、全然関係ないんですけど(笑)、にゃんにゃんにゃんの日に、『モーレツ宇宙海賊』の劇場版が公開されます。そして、それに先駆けて、キッズステーションで作品をじっくりと楽しんでもらえる集中放送もありますので、まだ観たことがないという方は、放送を観て、モーパイの世界観をつかんでいただけるとうれしいです。一気に見ることで、より面白さが伝わるのではないかなと思います。すでにテレビ版をご覧になったことがある方も、あらためて復習をすることで、劇場版をより深く楽しんでいただけると思います。とても楽しめる作品になっていますので、頭を空っぽにして、観てください。2月22日には、私が歌う劇場版のイメージソング『Sail away』も発売されますので、こちらも合わせてよろしくお願いいたします(笑)」

――ありがとうございました

劇場版公開記念として行われるキッズステーションの集中放送は、2014年2月1日(土)の深夜1時30分〜6時00分に第1話から第9話、2月8日(土)の深夜1時30分〜6時00分に第10話から第18話を放送。小松のサイン入りポスターや舞台挨拶付き映画鑑賞券などが当たる「モーレツプレゼント!」のキーワードもこの集中放送内で発表される。なお、キッズステーションでは現在レギュラーでも本作を放送しており、集中放送明けの2月13日(木)深夜0時00分〜0時30分ほかで第19話から見ることができる。放送スケジュールやプレゼントなど、詳細はキッズステーションの公式サイトをチェックしてほしい。

(竹間葵)