28日のチャンピオンズリーグ(CL)グループリーグ第2節で、フランスのオセールがジョゼ・モウリーニョ監督率いるレアル・マドリーをホームに迎える。

 グループGは優勝9度のレアルのほか、ACミラン(7度)、アヤックス(4度)とCL常連の強豪ぞろい。その中にあって、オセールは1997年に8強入りしたのが最高で、欧州レベルではほとんど無名の存在といっても過言ではない。

 しかし27日の記者会見を伝えたレキップ紙によると、モウリーニョ監督は「ホームでの初戦を行なうチームと対戦するのはむずかしい」と警戒をゆるめておらず、格下という意識はない。またデータ・マニアの監督にしてみれば、“無名”という言葉など無意味だろう。

 皮肉っぽく「オセールがどこにあるか知っていましたか?」と問いかけた記者に対し、「私は2度ここに来たことがある。また来られて満足だ。ここはギィ・ルー(1961年から2005年まで務めたオセールの名物監督)のホーム。オセールがCLに出場できたのは喜ばしいことだ」と答えた。

 フランス・ソワール紙によると、オセールの年間予算は2500万ユーロ(約28億円)。一方のレアルは昨シーズンの予算が4億2200万ユーロ(現行レートで約476億円)という世界一のリッチなクラブ。報道陣も予算比17対1という格差を念頭に置いた質問を投げかける。

 オセールのロッカールームの質素さについて問われたモウリーニョ監督は、「私に関心があるのはロッカールームじゃない。ピッチだ。ビッグクラブでもよい芝を用意できていないところがある。ここにはちゃんとしたクオリティーがある」と対戦相手をリスペクトした発言に終始した。

 また「オセールの選手たちを知っていますか?」という問いにも「もちろん。名前、国籍、何でも聞いてくれよ」とデータが頭にインプットされていることを強調した。チェルシー時代にフランスのクラブから数々の選手を引き抜いたモウリーニョ監督。「メンタル面でもフィジカル面でも、フランスの選手育成については高く評価している」という言葉はたんなるリップサービスではなさそうだ。オセール戦でも、采配の傍ら相手選手をしっかりチェックするに違いない。